スコットランド ガソリン車禁止の先送りは「誤り」 計画書を修正 2030年目標変わらず
公開 : 2023.01.13 06:05
スコットランド政府は、ガソリン車とディーゼル車の新車販売禁止を2年延期すると発表していましたが、その後の声明で「誤植」があったとして文書を修正。従来通りの2030年を目標としています。
計画書に誤り 従来目標に変更なし
スコットランド政府は、1月11日(現地時間)に発表したガソリン車およびディーゼル車の新車販売禁止時期を2032年に延期する計画について、誤りであったことを認めた。
スコットランドの脱炭素化計画を記した文書「ESJTP(エネルギー戦略・移行計画)」の草案では、当初の目標であった2030年から2年先送りするとしていた。しかし、翌12日、政府はこれが「誤植」であったと発表した。
声明の中で、政府は次のように述べている。
「ESJTPの草案には、ガソリン車とディーゼル車、および商用車の段階的廃止時期に関する誤った記述があった。2032年ではなく、2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車の必要性を段階的に削減するという正しいコミットメントを反映するため、文言を見直し、必要に応じて修正した」
エネルギー省のマイケル・マシソン長官は11日、国による充電インフラの整備の遅れと、電気料金の高騰によるEV(電気自動車)の維持費の上昇について懸念を表明した。このため、2030年までにガソリン車・ディーゼル車を段階的に廃止するという従来の目標は、実現不可能と見られていた。
しかし、スコットランドはこれまで通り、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標に向け、2030年にエンジンのみを搭載する新車の販売を禁止する。プラグインハイブリッド車(PHEV)やフルハイブリッド車(HEV)も2035年までに禁止される予定だ。
新車のCO2排出量を100%削減することを約束する欧州連合の新法は、ドイツなど一部の国が拒否しているにもかかわらず、加盟国も2035年までに追随することを事実上意味する。
ハイブリッドを含むガソリン車・ディーゼル車の新車販売の禁止は、地球温暖化防止に向けた幅広い取り組みの一環とされている。
欧州では、販売禁止に先立ち、2025年7月以降に発売されるエンジン搭載車を「可能な限りクリーン」にするための新しい排ガス規制「ユーロ7」も策定された。コールドスタート時(エンジンが冷えている状態)の排出ガスを軽減するための電気加熱式電子触媒や、主要汚染物質のオンボード監視などが規制に含まれる。