え?! アルファード・トラック? 学生が制作 夢はこのクルマで旅行 東京オートサロン2023

公開 : 2023.01.13 11:18

前から見るとアルファードですが、横に回るとピックアップトラック! 奇想天外なショーカーの制作者にお話を伺いました。

トヨタアルファード……のトラック

東京オートサロン2023では、日本自動車大学校(学校法人 日栄学園)が展示するクルマが注目を集めている。

青いトヨタ・アルファード……に見えるが、横に回ってみると、車体後半からピックアップトラックになっている。

日本自動車大学校の学生が制作したトヨタ・アルファードがベースのピックアップトラック。
日本自動車大学校の学生が制作したトヨタ・アルファードがベースのピックアップトラック。

毎年、複数名の班に分かれて、それぞれが造りたいアイデアを議論する。今年はアメリカ仕様のクルマを好むメンバーが多かったため、ピックアップトラックというキーワードが浮かんできたのだと学生が教えてくれた。

「わたしたちは、メーカーから協賛を受けて、素材となるクルマやパーツを選んでゆきます」(制作した学生)

「ただ……ピックアップトラックそのものを協賛いただくのは、じっさいの所難しいのです」

そこで思いついたのが既存車の「ピックアップトラック化」だ。

敷地内に素材として使えるアルファード(エグゼクティブ・ラウンジ)があった。

「(身振り手振りで)このあたり、つまり車体後部をまず切り落としました。で、ハイラックスを繋げてみたんです」と、飄々と語る。

とはいえ制作開始は2022年の夏。完成は出展する本日の数日前だったという。色の吟味(多数決でブルーになった)、ドアの調整(スライドドアから観音開きにした)。パーツメーカー各社とのやり取りなど、「切って繋げる」とはいえ、イチからクルマを製造するようなものだった。

「やはりグランプリを取りたいです。でも賞でも嬉しいです」と控えめに語る学生の目の奥は闘志と達成感で満ちていた。

日本自動車大学校では通常、ショーへの出展を終えると、書類関係の作成に移る。車検を取るのだ。その後、卒業旅行として、学生たちは、みずから制作したクルマで旅に出る。

今はそれが楽しみでならないという。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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