ボルボ 新型SUV「EX30」年内発表か 若いユーザー向けの次世代コンパクトEV

公開 : 2023.01.16 18:05  更新 : 2023.06.14 19:15

ボルボは、新型の電動SUV「EX30(仮称)」を年内に発表する見込みです。若いユーザー層をターゲットに、大胆なデザインや持続可能性を重視した素材を採用すると考えられています。

若者向けの電動SUV まもなくデビューか

ボルボは近々、EV専用車のコンパクト・クロスオーバーEX30(仮称)」を発表する見込みだ。新しいデザイン要素と技術を採り入れ、若年層の獲得を目指す。

10月の販売が開始される予定のEX30は、既存のボルボXC40リチャージとC40より小型のエントリーモデル。新しいSEAプラットフォームを使用すると予想される。

電気で走る小型のクロスオーバーがボルボに加わる。(画像は予想レンダリングCG)
電気で走る小型のクロスオーバーがボルボに加わる。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

ボルボは先月、大型電動SUVのEX90の発表会で、新たなクロスオーバーの投入を予告していたが、車名や詳細についてはまだ明かされていない。同社は「EX30」という名称を登録しており、エントリーモデルとなる新型車の位置づけを考えると、車名に選ばれる可能性が高い。

EX90の発表会で、ボルボのジム・ローワンCEOは、このモデルが「初めてクルマを購入する人のための街乗り車」を目指したものになると示唆した。彼は特にZ世代(1990年代後半から2000年代前半に生まれた人々)にアピールする必要性を挙げ、「これまで、そのような若い層にはあまり語りかけてきませんでした。わたし達は、その方向に向かっているのです」と述べた。

コンパクト・クロスオーバーの市場は、世界各地で急速に成長しているセグメントの1つであり、2020年代半ばまでに年間120万台(うち半分はEV)を販売するというボルボの目標にとって鍵となるものだ。

街乗り重視 次世代車のデザインは

公式の予告画像では、従来のボルボらしいデザインが確認できるが、若いユーザーを獲得するために大胆な要素も採用する予定だ。EX90のように、背の高いクロスオーバーの形をとりながらも、空力効率を最大化するために、ボディはよりスマートな形状となるだろう。また、C40リチャージのようなクーペタイプの派生モデルが登場する可能性もある。

EX90の発表会で、ボルボのデザイン責任者ロビン・ペイジは、今後の新型車のデザインについて「進化が始まっている」と語った。

ボルボが予告した新型車のシルエット。向かって左が「EX30」と思われる。
ボルボが予告した新型車のシルエット。向かって左が「EX30」と思われる。

「EX90のデザイン要素は、今後の製品にも生かされるでしょう。しかし、クルマが小さくなれば、もっといろいろなことにチャレンジできるようになります。色や素材、表現方法など、もう少し幅を持たせることができるのです」

SEAプラットフォームは、現在スマート#1や、ジーリー傘下の中国専用ブランドZeekrのEVに採用されている。幅広いボディサイズに対応するほか、後輪駆動のシングルモーターから全輪駆動のツインモーターまで、ニーズに合わせたパワートレイン選択が可能な柔軟性の高いプラットフォームとなっている。

EX30の兄弟車になると考えられるスマート#1は、標準仕様で272ps、ツインモーターの最上級仕様で428psを発揮する。

駆動用バッテリーとしては、街乗りに焦点を当てていることからサイズ、重量、コストを抑えるために、比較的容量の少ないユニットが採用される可能性がある。スマート#1は68kWhバッテリーを搭載し、1回の充電での航続距離は418~435kmとされる。ボルボが想定しているであろう、都市部での日常的な買い物や通勤には十分と考えられる。

また、EX30では持続可能な素材やリサイクル素材の使用が期待される。特に、若いZ世代にとって持続可能性は関心の高い分野であるためだ。

手頃な価格設定を実現できるかどうかも若年層獲得の鍵を握る。ローワンCEOは、新型車ではサブスクリプションとオンライン販売に注力し、月々の支払いが「適度に低いコスト」に設定されるようにすることをほのめかしている。

SEAプラットフォームには高度なコネクティビティ機能が組み込まれており、無線でのソフトウェア・アップデートが可能だ。ボルボは、アプリを通じてオンデマンドで追加機能などを提供する可能性が高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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