全長5.0mクラスのアルピーヌって何だ? 大型の次世代EV ロータスのプラットフォーム使用か

公開 : 2023.01.19 18:25

アルピーヌは、大型のクーペ・クロスオーバーEVを2026年以降に投入する予定です。全長5.0mクラス、車重は約2トンとされ、主に米国市場をターゲットとしています。ロータスのプラットフォームを採用する可能性も。

米国市場向けの大型クロスオーバー車 ベースはロータス

フランスのスポーツカーブランドであるアルピーヌは、次世代EVとして大型のクロスオーバー車を計画しているが、これにロータスのプラットフォームを採用する可能性がある。

このクロスオーバー車は2027年~2028年頃に発売される見込みで、全長5.0mクラスのEVになるとされる。アルピーヌのローラン・ロッシCEOは、2022年の業績発表の場でこの新型車について言及している。

アルピーヌは、ロータスのプラットフォームをベースに、大型の電動クロスオーバー車を開発する可能性がある。(画像は予想レンダリングCG)
アルピーヌは、ロータスのプラットフォームをベースに、大型の電動クロスオーバー車を開発する可能性がある。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

ロッシCEOは、「アルピーヌはルノー・グループ以外のプラットフォームにも目を向ける必要がある」と述べた。ルノーと中国のジーリーは最近、エンジン供給の新会社を設立するなど、関係を強めている。その中で、ジーリーを親会社に持つロータスは、ルノー・日産三菱アライアンス以外のパートナーとして「最も自然」だという。

アルピーヌとロータスはすでに、共同でA110の後継EVを開発中だ。

ロータスは、新型SUVのエレトレ向けに開発したEV用プラットフォームや、2024年に登場予定の小型クロスオーバー「タイプ134」のプラットフォームを第三者に供給する構えを見せている。

日産も、米国市場でD/Eセグメントを展開していることから、アルピーヌにプラットフォームを供給することも考えられるが、ロッシCEOはこの可能性をほぼ否定した。

「難しいのは、アルピーヌ(と日産)は別物だということです。お客様に期待される性能も少し異なります」

ロッシCEOによれば、新型車はスポーツカーというよりも、ライフスタイル系クロスオーバーに位置づけられるという。

「(車重は)2トンで、全長5mのクルマになります。フェラーリでない限り、スポーツカーを作ることはないでしょう」

しかし、アルピーヌは、加速とハンドリングに優れたパフォーマンスマシンのような感覚の実現を目指すとしている。

「電動化によって、各車輪のトルクに差をつけることができるので、ハンドリング開発はコスト的に少し楽になります」

ロータスと同様、アルピーヌも「レースの血統」が製品開発における重要な役割を果たし続けることを強調している。

スタイリングについては、車高の高いSUVというより、クーペ・クロスオーバーに近いものになるという。

大型の電動SUVは競争が激化してきており、テスラメルセデス・ベンツBMWアウディなどがすでに複数のモデルを展開している。さらに、ポルシェも2024年以降にマカンとカイエンのEV仕様をリリースする予定だ。

アルピーヌは大型のクロスオーバー車を投入することで、米国市場へ本格的な攻勢を仕掛けようとしている。アルピーヌの昨年の販売台数は3546台(A110のみ)だったが、2030年までに世界全体で15万台に増やすことを目指している。その半分は、米国など新市場に期待されている。

また、2030年には約15%が欧州以外で生産されると予測している。

アルピーヌは現在、A110の後継モデルと、小型クロスオーバーの「GT X-Over」、そして次期ルノー5をベースとするハッチバック「R5」を開発中だ。そして2026年にはラインナップをすべてEVとする計画である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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