シトロエン・アミ 詳細データテスト 思ったより楽しいハンドリング 想定より短い航続距離 うるさい
公開 : 2023.01.21 20:25 更新 : 2023.02.13 07:12
シトロエンの超小型モビリティに、普通車のような動力性能や快適性は期待していません。それを差し引いても力強さはなく、騒音は大きく、そして意外なほどバッテリーのもちが悪いので、短距離での利用に限定したいところです。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★☆☆☆☆
ー内装 ★★★★★★★☆☆☆
ー走り ★★★☆☆☆☆☆☆☆
ー使い勝手
ー操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
ー快適性/静粛性 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
ー購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆
ースペック
ー結論 ★★★★★☆☆☆☆☆
はじめに
自動車の世界が、トラディッショナルな大メーカーがトラディッショナルな大型車を作るという古い規範と決別しようとしているので、一か八かでモビリティ分野に参入する新参メーカーを目にする機会が増えてきた。
振り返れば、シンクレアC5やBMW C1スクーター、レヴァGウィズやルノー・トゥイージーなどがあったが、それらの共通点は、今では英国に導入されていないこと、さらにそれらを取り扱ったメーカーもインポーターも、その後は同様のモデルを提供していないことだ。
つまり、今回取り上げるシトロエン・アミに、今のところめぼしいライバルは見つからない。その出発点は2019年のジュネーブショーでアミ・ワンとして公開されたコンセプトモデルで、自走で舞台に現れた。
四角いボディと、サイズのわりに大きいタイヤを備え、ロンドン交通局のデザインブックから抜け出してきたようなインテリアは、ライトグレーのブロックのようなマテリアルに、ブルーやオレンジ、グレーのハイライトが入っている。
大メーカーのコンセプトカーがどれもそうであるように、仕上げは上々で、ベーシックでありながら、コンクリート打ちっぱなしのバーのようなラグジュアリーさがある。
ところが、商品版はそうはいかない。ドアは左右とも同じパーツを使って互い違いに開き、前後のパネルも同じもの。これはコストダウンが目的だ。また、立ち気味のウインドウは、良好な視界をもたらす。
このクルマのターゲットは、新たにクルマを手にする若年層だ。それだけに、自動車というよりはミニカーとして設計され、コンパクトカーに関する法規からは自由になれる。英国は別だが、EUの多くの地域では、14歳から運転できる。いよいよ英国でも販売されたこのミニカーがいかなるものか、吟味していこう。