受注停止は日本だけ? ホンダ・シビック・タイプR 海外では引き続き注文可能
公開 : 2023.01.23 18:05
ホンダは新型シビック・タイプRの国内受注を一時的に停止していますが、米国や英国では引き続き注文を受け付けています。
海外で受注継続 豪州では初年度分完売も
ホンダは新型シビック・タイプRの受注を一時的に停止しているが、英国や米国では引き続きオーダーを受け付けている。
6代目となるシビック・タイプRは埼玉県の寄居工場で生産されているが、日本国内では需要が生産数を上回ったため、一時受注停止が発表された。慢性的な半導体不足や新型コロナウィルス感染拡大の影響から、「先々の生産見通しが立てづらい状況」になっているという。
ホンダ公式ウェブサイトでは、「既にご注文された全てのお客様に対し、シビック・タイプRを確実にお届けするために、現在ご注文受付を一時停止させて頂いております」と記載されている。今のところ、受注再開時期は明らかにされていない。
しかし、英国ではシビック・タイプRの受注が継続される見通しである。ホンダUKの広報担当者はAUTOCARに対し、次のように述べている。
「英国内では、需要が生産量を上回っていることが確認されています。しかし、ディーラーにウェイティングリスト(順番・キャンセル待ち)ができており、今後数か月でさらに増える見込みです」
米国でも、今のところ受注が停止されたという情報は入ってきていない。一方、オーストラリアでは発売から約24時間で初年度分(約600~700台とみられる)が完売。今から注文すると、2024年半ばまで納車を待たなければならないようだ。
各国におけるシビック・タイプRの価格は、日本で499万7300円(税込み)から、英国で4万6995ポンド(約760万円)から、米国で4万3990ドル(約570万円)から、オーストラリアで7万2600豪ドル(約660万円)からとなっている。
欧州ではホンダ最後の純エンジン車か
高性能スポーツモデルであるシビック・タイプRは、今回のモデルチェンジで6代目となる。11代目の新型シビックをベースに、足回りやエンジン、空力性能を強化している。先代に搭載されていた2.0Lターボエンジンを引き継ぎ、改良型の6速MTを採用した。
現在、欧州向けのホンダの主力車は、すべてハイブリッド車もしくはEVとなっており、電動化されていないのはシビック・タイプRのみとなる。次期排出ガス規制ユーロ7の導入もあって、ホンダが欧州で発売する最後の純エンジン車となる可能性が高い。
英国仕様は最高出力329ps、最大トルク42.8kg-mで、0-100km/h加速は5.4秒と、歴代で最もパワフルなシビックとなった。最高速度も275km/hに向上している。
ホンダは、ターボチャージャーの改良とコンパクトなハウジングを採用したエンジンは、これまでで最強のVTECターボであり、タイプR史上「最も速く、最も中毒性が高く、かつ安心感と実りのあるドライブを実現する」と述べている。
ホンダ欧州部門のテクニカルアドバイザーであるヤマモト・コウ氏は、「先代タイプRに比べて最大の改善点は、シャシー剛性の向上とハンドリング性能、そしてステアリングとサスペンションのアップデートです」と語る。
ブレーキも「温度制御と空冷の強化」を目指して改良され、前輪後方のダクトがホイールハウス内の空気圧を下げる。
また、ターボレスポンスの高速化を図るため、背圧を改善したエグゾーストシステムを搭載するが、特徴的な3本マフラーは引き継がれている。アダプティブダンパー、ステアリング、レブマッチ、エンジンレスポンスを個別に調整できる新しいドライブモード「インディビジュアル」も実装される。