7500ccでたったの150馬力? 非力な大排気量車 20選 環境規制に苛まれた悲運のアメ車たち
公開 : 2023.02.04 18:05
1970年代、米国の自動車メーカーは排出ガス規制への対応に苦慮していました。5.0Lを超えるような大排気量のV8エンジンでも、最高出力は100ps程度に抑えられるなど、実力を封じられたモデルを紹介します。
もくじ
ー排気量の割にパワーが出せない悲運のアメ車
ーAMCグレムリン(1970年)
ーフォード・マスタングII(1974年)
ープリムス・フューリー(1974年)
ーキャデラック・フリートウッド(1975年)
ーシボレー・コルベット(1975年)
ーシボレー・モンツァ(1975年)
ーマーキュリー・マーキー(1975年)
ーポンティアック・ベンチュラ(1975年)
ーアルファ・ロメオ・スパイダー(1976年)
ープリムス・ヴォラーレ(1976年)
ーオールズモビル・ナインティ・エイト(1976年)
ーAMCマタドール(1978年)
ービュイック・リーガル(1979年)
ーリンカーン・コンチネンタル(1979年)
ーシボレー・コルベット(1980年)
ーダッジ・ミラーダ(1980年)
ーフォード・サンダーバード(1980年)
ーキャデラックV8-6-4エンジン(1981年)
ーポンティアック・ファイヤーバード(1982年)
ー無力なマレーズ時代について
排気量の割にパワーが出せない悲運のアメ車
米国の規制当局が、大気汚染対策に本格的に取り組み始めたのは、1970年代のことである。
米国政府は1970年に環境保護庁(EPA)を設立し、大気汚染に関連するプログラムをまとめた。EPAの任務は、調査、排出ガス規制の設定、自動車メーカーへの遵守の要求であり、2023年現在もそれは変わっていない。
同年、EPAは1963年の大気浄化法以降に収集したデータをもとに、新たな大気浄化法を制定した。1975年のCAFE(企業別平均燃費規制)を皮切りに、排出ガス規制を設定し、権限を大幅に強めたのである。
こうして1970年代、自動車メーカーはかつてないほどのプレッシャーにさらされることになった。1973年の石油危機の影響も受けながら、米国の自動車産業は大きく様変わりし、排気量が大きいにもかかわらず、驚くほど貧弱なエンジンが生み出されたのだ。
今回は、そんな大排気量エンジン搭載車の中から、出力が貧弱なクルマをピックアップして紹介する。
なお、エンジンは今回取り上げた車種だけでなく、他の車種に搭載されることも多いので、あくまでも一例としてご覧いただきたい。また、出力が落ち込む一方で、トルクは比較的高い値を維持している。
AMCグレムリン(1970年)
1970年にデビューしたAMCグレムリンには、最高出力128psの3.3L直6エンジンのみが用意されていた。1972年モデルでは、新たに5.0L V8エンジンが追加され、150psを発揮するようになった。1972年モデルとして生産された9万4808台のうち、1万949台がこのV8を搭載している。
排気量1.0Lあたりの出力:39ps(3.3L仕様)、30(5.0L仕様)
フォード・マスタングII(1974年)
フォードが適材適所とばかりに発表したのが、大幅なダウンサイジングを施したマスタングIIである。1974年に発表されたこのモデルは、最高出力84psの2.3L 4気筒を標準装備としている。
当初は、最高出力103psの2.8L V6仕様と、最高出力105psのマッハ1という2種類のアップグレードが用意されていた。1975年モデルでは、消費者からの要望により140psの4.9L V8が追加された。
1.0Lあたりの出力:36ps(2.3L)、37ps(2.8L)、29ps(4.9L)
プリムス・フューリー(1974年)
プリムスは1974年にモデルチェンジしたフューリーに、最高出力168psの5.9L V8を搭載する。当時156ドル(現在では約9万5000円)の上級グレードは、227psの7.2L V8に格上げ。車重1909kgのフューリーには適正だったかもしれない。
1.0Lあたりの出力:28ps(5.9L)、31ps(7.2L)