アウディが誇る旗艦「A8」 次期型デザイン コンセプトをほぼそのまま採用か

公開 : 2023.01.30 18:45

アウディA8の次世代モデルは、2021年に公開されたコンセプトモデル「グランドスフィア」のデザインをほぼそのまま踏襲することが明らかになりました。アウディの未来のフラッグシップはどのような姿となるのか。

A8次期型にほぼキャリーオーバー?

アウディのフラッグシップサルーンA8の次世代モデルは、2021年に公開されたコンセプト「グランドスフィア」に大きく影響を受けたデザインの高性能EVになるという。

次期A8は、ポルシェと共同開発した新しいEV用プラットフォーム「PPE」をベースに、高性能の電動パワートレインを搭載。車名改め、A8 eトロンとして来年にも公開される見込みである。

次期A8のデザインは、2021年公開の「グランドスフィア」をベースとする。
次期A8のデザインは、2021年公開の「グランドスフィア」をベースとする。    アウディ

今回、そのA8 eトロンのデザインは、2021年のグランドスフィアにわずかな変更を加えただけのものであることが明らかになった。先日披露された新しいコンセプトモデル「アクティブスフィア」のデビューの場で、アウディのデザインチーフであるマーク・リヒテ氏は、AUTOCARの取材に対し次のように語っている。

「グランドスフィアは、非常に具体的な『予告』です。量産車にもそう遠くはなく、流石にそのままというわけではありませんが、非常に近いものです」

グランドスフィアは、4台のスフィアコンセプト(他にスカイスフィア、アーバンスフィア、アクティブスフィア)の1つであり、レベル4の自動運転システムを主眼に設計され、「道路を走るプライベートジェット」と表現されている。アウディによると、4台の中で最も将来の量産車に近いものだという。

未来のアウディでできること

グランドスフィアは自動運転をメインに謳うだけあって、車内の居住性やエンターテインメントに重きが置かれている。車内をラウンジのような環境に整えているのだ。

例えば、自動運転システムの作動中、ステアリングホイールとペダルはダッシュボード内に収納される。さらに、リアドアが後方に開く観音開き方式で、Bピラーもないため乗り降りは簡単。乗り込んだ乗員は「個別演出のディスプレイとアンビエントライト」で迎えられ、着座すると同時にクライメート・コントロールとシートが乗員の好みに合わせて自動的に調整される。

レベル4の自動運転が可能なグランドスフィアは、居住性に重点を置いて設計されている。
レベル4の自動運転が可能なグランドスフィアは、居住性に重点を置いて設計されている。

また、乗員が乗り込む前にそれぞれスマートフォンなどで再生していたコンテンツは、車載のインフォテインメント・システムで再生できる。例えば、運転席側のスクリーンにはドライバーが読んでいたニュース記事が、助手席側のスクリーンには乗員が視聴途中の動画が表示されるというものだ。

車両の制御は、もはや人間のドライバーだけのものではない。そのため、フロントシートは最大60度まで倒せるように設計され、高い快適性を実現している。後部座席には、アームレスト付きのソファスタイルのベンチシートが設置されている。空気清浄や温度管理、そして芳香の機能も備わるという。

また、各シートには「他の乗員には聞こえない」というスピーカーが用意される。前部座席の間には、2つのグラスと特別にデザインされたドリンクボトル付きクーラーが設置されている。

車内は「デジタルデトックス」を目指して設計され、スクリーンやダイヤル、物理的な操作系はほとんど存在しない。ドライバーは回転式のMMIタッチボタンでメニューを切り替えることができる。自動運転モードでは、目の動きやジェスチャーで車載機能を操作でき、さらに乗員の好みを学習し、最終的には1人1人に「個人的な提案」を行うようになるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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