メルセデスAMG E 63 次期型、直6ベースのPHEVへ 最高出力700ps以上
公開 : 2023.02.02 18:05
メルセデス・ベンツEクラスの高性能モデル、AMG E 63の次期型では、従来のV8に代わって直6のプラグインハイブリッドが搭載される見込みです。
直6 PHEVで最高出力700ps以上
メルセデスAMG E 63の次期モデルでは、従来のV8エンジンを直6ベースのプラグインハイブリッドに切り替え、出力向上と電気のみでの走行を実現する見込みである。
次期E 63は2024年に発表される見通しで、最近発売されたGT 63 S Eパフォーマンス4ドア・クーペやC 63 S Eパフォーマンスと同様のハイブリッドシステム「P3」を採用する。
公式の詳細はまだ伏せられているが、AUTOCARが入手した情報によると、メルセデスのターボチャージャー付き3.0L直6ガソリンエンジン「M256」を大幅改良して縦置きに搭載し、リアアクセルの電気モーターと連動するという。
M256にどの程度のチューンが施されているかは、まだ不明だ。しかし、C 63やGT 63に搭載されている「M139L」、「M177」と多くの主要コンポーネントを共有するようで、ボア径83mm、ボア中心間隔90mmなど設計や寸法が類似しているとのことだ。
メルセデスAMGの関係者によると、次期E 63に搭載される非同期モーターは、他の電動化された「63」モデルに使用されているユニットと構造も性能も似ているという。
トランクフロアの下には、4.8kWh(使用可能)の400Vバッテリーを搭載する。
AMGは、この新しいドライブトレインにおいて、最高出力700ps以上、最大トルク120kg-m以上を目標にしているという。直4ベースのC 63は最高出力680psと最大トルク104kg-mを発揮し、V8ベースのGT 63は842psと142kg-mをたたき出す。
これに対し、既存のE 63 Sは、ツインターボ4.0L V8エンジン「M177」を搭載し、最高出力612ps、最大トルク86kg-mを発揮する。
重量増加もパワーアップで相殺
次期型では、モーターからの出力が2速トランスミッションと電子制御リミテッド・スリップ・デフを経由して後輪に送られるため、出力がトランスミッションによって制限されにくいとのこと。
直6エンジンは、9速トランスミッションを介して前後輪にその駆動力を伝達する。
走行モードは最新のPHEVモデルに見られるように、エレクトリック、コンフォート、バッテリーホールド、スポーツ、スポーツ+、スリッパリー、インディビジュアルの7種類が用意されるだろう。
車両重量は大幅に増加するものの、AMGは出力とトルクの向上により、既存のE 63 Sの性能(オプションのAMGドライバーズパッケージを装着した場合、0-100km/h加速3.4秒、最高速度300km/hとされる)を超えることを目指しているという。
効率よりも性能を重視しているため、電気のみの走行距離は限定的なものとなるだろう。ただし、4段階のエネルギー回生機能が実装される見込みだ。
シャシーとしてはメルセデスのモジュラー・リア・アーキテクチャ(MRA)の改良版を使用し、サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンクを装備するだろう。また、4WS(四輪操舵)も採用される見込みである。