パサートと肩を並べる実力派 プジョー508 英国版中古車ガイド ファストバックとSW

公開 : 2023.02.19 08:25  更新 : 2023.02.20 12:03

オシャレなファストバックとワゴンの2種類が選べる508。中古車の価格価値は大きいと、英国編集部は評価します。

VWパサートの強力なライバル

フランスのプジョーは、最近調子を取り戻したように見える。うれしい事実ではないだろうか。

大胆にカーブを描くスタイリングがしばらく続いたが、シャープなルックスへ回帰し、ドライバーへの訴求力を備える普段使いのフレンチ、というポジショニングが復活した。ファストバックとステーションワゴンが選べる新しい508は、その好例だろう。

プジョー508 PSE SW ハイブリッド4(英国仕様)
プジョー508 PSE SW ハイブリッド4(英国仕様)

欧州では2018年に販売が始まった現行の508は、好印象なデザインだけでなく、運転が楽しく実用的。このクラスをリードする、フォルクスワーゲン・パサートの強力なライバルと呼ぶのに相応しい実力を得ている。

パワートレインの選択肢は複数あり、様々なユーザーのニーズに対応できる。英国の中古車を見てみると、1.5LディーゼルターボのブルーHDiが最安値。最高出力129psで、0-100km/h加速を10.0秒でこなす能力を持つ。

パワフルな2.0Lディーゼルターボもラインナップされている。英国では2021年に販売が終了しているが、163psと177psの2段階の設定があった。

ガソリンターボでは、130psを発揮する1.2Lのほか、181psか221psを選べる1.6Lユニットを選べる。パワフルな後者の場合、0-100km/h加速を7.4秒でこなす爽快なダッシュ力を披露する。

強みはスムーズでダイレクトな操縦性

プラグイン・ハイブリッド(PHEV)も2019年に登場している。1.6Lガソリン・ターボエンジンに電気モーターを組み合わせ、システム総合で225psを叶えている。電気の力だけで最長51kmを走行可能なほか、0-100km/h加速8.3秒の瞬発力を備えている。

2020年には、プジョー・スポーツ・エンジニアード(PSE)を冠した、高性能な仕様も投入されている。こちらもPHEVで、プジョーの量産モデルとしては過去最強となる360psと52.8kg-mを達成。0-100km/h加速を5.2秒でこなす能力の持ち主だ。

プジョー508 PSE SW ハイブリッド4(英国仕様)
プジョー508 PSE SW ハイブリッド4(英国仕様)

どのエンジンでも、508は普段使いに不足ない動力性能を有し、滑らかなパワーデリバリーで快適に移動できる。プジョーらしい長距離クルージングの心地良さは、大きな特長だろう。

確かに、シリアスなスポーツサルーンやスポーツワゴンをお探しなら、BMW 3シリーズアウディA4の方が望ましいことは事実。508は、ドライバーによっては物足りないと感じられるかもしれない。

だとしても、スムーズでダイレクトな操縦性は明らかな強み。乗り心地もしなやかだ。

加えて、ステーションワゴンの508 SWは、安全性試験のユーロNCAPで満点となる5つ星を獲得している。乗員保護性能は大人が96%、子どもで86%となっている。安全運転支援システムも79%という高得点だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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