ラングラー4xeに右ハン予定はなし ジープ、次世代EVに注力 英国で7車種展開

公開 : 2023.02.28 06:25

ジープは2030年までに欧州で全車種EV化を目指しており、英国ではラインナップを7車種に拡大予定です。VWやミニをライバルに見据え、アベンジャーを筆頭にEVとPHEVを投入していくとのこと。

欧州のライバルはランドローバーではない!

ジープの英国向けラインナップは、2020年代半ばまでに7車種に拡大する予定だ。

2030年までに欧州で完全電動化を目指すジープは、昨年、新型アベンジャーをはじめとするに電動SUVシリーズの計画を明らかにした。

ワゴニアSやリコン(画像)など、さまざまなバリエーションの電動SUVを順次投入していく。
ワゴニアSやリコン(画像)など、さまざまなバリエーションの電動SUVを順次投入していく。    ジープ

英国では、PHEV(プラグインハイブリッド)のレネゲード4xeとコンパス4xe、EVのアベンジャーに続き、今年後半にPHEVの新型グランドチェロキー4xeを導入する。

2025年にはスポーツ志向のワゴニアSと、オフロード志向のリコンという2車種の新型EVが加わる。いずれもステランティスの新プラットフォーム「STLAラージ」を使用する予定だ。

ジープの欧州部門責任者、アントネラ・ブルーノ氏はリコンについて、同じくオフロード志向のラングラーとはサイズも位置づけもわずかに異なるものになると言う。

「欧州でのリコンは、ホワイトスペースのクルマになります。ユニークで、とてもボクシーで、とても有能なクルマです。ラングラーよりもセグメントの下の方に位置することになるでしょう」

ラングラーにはPHEVの4xeもあるが、英国では発売されていない。ブルーノ氏によると、現行のラングラー4xeを右ハンドルで設計することは不可能だったため(日本仕様も現状左ハンドル)、電動パワートレイン車を英国に導入する予定はないという。

「グローバルレベルでは、電動化における4×4のリーダーになりたい」とブルーノ氏。ジープは欧州において、ランドローバーのような高級車ブランドよりも、フォルクスワーゲンやミニといったブランドをライバルとして見ているという。

英国でのジープの最近の販売は芳しくないが、ブルーノ氏は依然として良好な状態にあると考えている。

「ブランドは(英国で)非常によく知られています。英国のお客様は、アベンジャーをきっかけにわたし達の新製品を受け入れてくれると想います。アベンジャーとグランドチェロキーを始め、適切なラインアップで英国に帰ってきます。英国での存在感を変えていく自信と期待があります」

ジープ・アベンジャーは1月の発売前に、英国で7000台の予約注文を受けたという。欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したこともプラスに働いているようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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