全方位で進化 メルセデス・ベンツ、新型GLCクーペ 3月発表予定 プロトタイプ試乗

公開 : 2023.03.03 18:05

2代目となるメルセデス・ベンツGLCクーペが今月中に公式発表される予定です。英国編集部は新型のプロトタイプに試乗し、一足先に進化の度合いを測りました。

ミドルサイズのクーペSUV、2代目へ

メルセデス・ベンツのミドルサイズSUV、GLCクーペは、3月中旬に2代目の新型に切り替わる予定だ。

しかし、AUTOCAR英国編集部はその発表の少し前に、最後の仕上げが行われているプレプロダクションのプロトタイプに同乗することができた。

メルセデス・ベンツの新型GLCクーペ(プロトタイプ)
メルセデス・ベンツの新型GLCクーペ(プロトタイプ)    AUTOCAR

2016年に初めて登場したGLCクーペは、当初からGLC(標準のSUV)よりもスポーツ性の高いモデルとして構想されていた。これは新型でも同様だと、メルセデス・ベンツのミドルサイズ車の開発責任者であるペーター・コルブ氏は言う。

「要点は大きく変わっていません。新型GLCクーペは、ラインナップの中でダイナミック寄りのモデルとなるよう、今回も開発しました。SUVのGLCとの差は大きくありませんが、走行特性はややスポーティになっています」

プロトタイプの助手席に座り、彼の言葉を聞きながら、ドイツにあるメルセデス・ベンツのインメンディンゲン試験場から公道へ出る。

GLCは、メルセデス・ベンツにとって最も重要なモデルの1つである。短命に終わったGLKの後継車としてラインナップに加わって以来、常にセールスチャートの上位に君臨している。全世界で累計200万台以上を販売し、そのうち20%にあたる40万台がクーペと言われる。

コードネーム「C254」と呼ばれる新型は、エクステリアのスタイリングを全体的にシャープに仕上げている。新デザインのグリル、薄いLEDヘッドランプ、サイドとドアに沿った明確なボディライン、リアエンドには新デザインのテールランプが採用されている。

従来通り、大きく寝かせたルーフライン、リフトバックスタイルのテールゲート、そしてスタイリッシュなリアエンドによってGLC SUVと差別化されている。寸法的には大型化しているが、それほど大きくはない。コルブ氏によれば、全長は32mm長い4763mmで、ホイールベースは15mm伸びて2888mmになったという。

新デザインのサイドミラーや下部フラットパネルなどの採用により、空気抵抗は従来のCd値0.30から0.29に低減され、より効率的な空力特性を実現している。

内装の質感向上 トランク容量も拡大

インテリアでは、ダッシュボードに高級素材を使用して質感を高めている。12.3インチのメーターディスプレイや11.9インチのポートレートスタイルのインフォテインメント・ディスプレイなど、多くの要素はCクラスと共通である。

新しいソフトウェアの採用により、MBUXオペレーティングシステムと、オプションの会話型コマンドプロンプト「Hey Mercedes」、さらに最高100km/hで動作するクルーズコントロール「アクティブ・ディスタンス・アシスト・ディストロニック」など、より幅広い運転支援システムを搭載する。

メルセデス・ベンツの新型GLCクーペ(プロトタイプ)
メルセデス・ベンツの新型GLCクーペ(プロトタイプ)    AUTOCAR

また、タッチセンサー式パッドと従来のボタン式コントロールを組み合わせた新しいマルチファンクション・ステアリングホイール、サポートとボルスターを追加した硬めのクッションが自慢の新しいフロントシート、最大100Wの3つのUSB-Cポート(オプションで最大6つまで可能)、新しいスマートフォン充電パッドも装備されている。

全体として、とても好感の持てるキャビンだ。そして、以前よりもいくらか広くなっているのも事実である。トランク容量は45L増えて545Lとなり、リアシート(オプションで電子制御式ドロップ機能を用意)を倒すと1390Lまで拡大する。バッテリーをトランクの床に収納するPHEVモデルでは、先代モデルより30L増えて390Lになり、リアシートを倒せば1200Lにまで拡大される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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