ミニ 新型EV「クーパー」プロトタイプ発表 原点に立ち返るハッチ 2024年夏発売へ
公開 : 2023.03.08 18:05
ミニは、新型クーパーのプロトタイプを公開しました。EVとガソリン車が導入され、2024年の発売を予定。「原点」に立ち返ったというクーパーEVは、最高出力218ps、航続距離385km以上を実現するとのことです。
新時代のミニ・クーパー
BMW傘下のブランドであるミニは、新型EV「クーパー」のプロトタイプを公開した。電動化に向けたミニの「革命」の始まりとされる。
新型クーパーは、同時に公開されたクロスオーバーのエースマンと、より大型のカントリーマンと並んで、ミニの電動化ラインナップの基点となるモデルである。この3車種の市販モデルは今後1年以内に順次発表される予定だ。
昨年2月にブランド責任者に就任したシュテファニー・ヴルスト(Stephanie Wurst)氏はAUTOCARのインタビューに対し、「新時代の幕開けです。ミニの100%電動化は、どこかで始めなければなりません。これは、完全電動化に向けた橋渡しです」と語った。
新しいラインナップにより、ミニは2025年半ばまでにEVの販売比率を50%(現在15%)にすることを目標としている。
ミニは、2024年2月のカントリーマン(EVと内燃機関車)の発売を皮切りに、5月にEVのクーパー、7月に内燃機関のクーパー、2025年1月にエースマンを発売する予定である。
ヴルスト氏によると、ブランドの心臓部であるクーパーは「原点に立ち返り」、新鮮な外観と「新しい」ネーミングを採用し、正式名称をミニ・ハッチ(Mini Hatch)からクーパー(Cooper)に変更したという。
ワイドなトレッド、短いフロントオーバーハング、大径ホイール、ホイールベースの延長により、現行のミニ・ハッチよりも塊感のあるスタンスとなったが、全長は3.8mと同じだ。円形デイタイム・ランニング・ライト(大型のエースマンと共通)がヘッドライトを囲み、2000年に発売されたBMWの初代ミニの流れを汲む顔となっている。
ミニ愛好家のためのクルマ
デザインの変わらないEVと内燃機関車を導入するが、ガソリンエンジン仕様のみ、5ドアやオープントップのバリエーションが用意される(どちらも未発表)。しかし、先日発表された現行世代の限定生産車ミニ・クーパーSEコンバーチブルについては、将来的に後継が登場するとも言われている。
「ミニは、この象徴的なハッチを原点に戻そうとしています。これはミニ愛好家のためのクルマであり、非常に象徴的なクルマになるでしょう」とヴルスト氏は言う。
プラットフォームには、中国における合弁パートナーである長城汽車と共同開発した「スポットライト」を採用し、中国で生産される予定だ。バッテリー容量はエントリーモデルで40kWh、上位モデルでは54kWhを採用する。
航続距離は385km以上(現行モデルは240km)とされる。ヴルストCEOによると、価格は3万ポンド(約490万円)を超えるだろうという。
標準のクーパーは最高出力183ps、上位モデルのクーパーSEは218psを発揮する。駆動方式は二輪駆動のみ。走行時の演出としてサウンドを開発しており、ドライブモードによって変化するという。
2025年半ばには高性能のJCW(ジョン・クーパー・ワークス)モデルが登場する予定で、クーパーSEと同じ54kWhのバッテリーを搭載するが、航続距離よりもパワーに重点を置いている。出力は250ps程度で、アバルト500eや次期アルピーヌR5と渡り合う性能になると予想されている。
ハンドリングは、新開発のトラクション・コントロール・システムによって改善されているという。AUTOCARは昨年、初期のプロトタイプに試乗したが、トラクション・コントロール・システムを組み込んだ新しいモーター制御を使用しており、ハードな加速時の反応時間を大幅に短縮している。