銘柄に合うエンジンが欲しい レクサス RX 350hへ英国試乗 450h+より操縦性は上
公開 : 2023.03.20 08:25
トヨタが得意とするHVシステムを搭載し、約200kg軽いRXの350h。BMW X5のライバルを英国編集部が評価しました。
450h+より約200kgも軽い350h
プラグイン・ハイブリッド(PHEV)となる、レクサスRX 450h+の試乗レポートをAUTOCARでは先日ご紹介させていただいた。英国では新しいRXの主力として、55%のユーザーが選ぶだろうと予想されている。
ただし、英国ではPHEVの税金が優遇される会社の貸与車両として乗らない場合や、頻繁に駆動用バッテリーを充電できる環境が身近にないなら、350hの方が望ましい選択になるだろう。トヨタお得意の、走行中に充電をまかなえるハイブリッドを積んでいる。
システムとしては、自然吸気の2.5L 4気筒エンジンとe-CVTと呼ばれる変速機、駆動用モーターを組み合わせて前輪を駆動。リア側の駆動用モーターが、リアタイヤを動かす四輪駆動となる。駆動用バッテリーは積むが、小さく、車重は200kg近くも軽い。
英国価格は5万9950ポンド(約965万円)から。RX 450h+より約5000ポンド(約80万円)もお手頃になる。一方で、駆動用モーターだけでの走行距離が短いため、会社の貸与車両として乗ると税金はPHEV版より割高になる。
ライバルを挙げるなら、BMW X5やメルセデス・ベンツGLE、ボルボXC90のディーゼルターボ版などとなる。とはいえ、直接的に競えるハイブリッド・システムを積んだモデルは不在といえる。
自然なフィーリング 運転する楽しさも
発進させてみると、PHEVのRX 450h+より自然なフィーリングなことへ気が付く。スポーティなSUVのように軽快に走るわけではないものの、回頭性は積極的で、路面が乱れても落ち着きを失いにくい。
流れの速い郊外の一般道を、快適に移動できる。運転する楽しさもゼロではないと感じた。操舵に対する反応が良く、グリップ力が高く、ボディロールは小さい。軽めの車重が効いているのだろう。
ステアリングホイールへ伝わるフィーリングも、RX 450h+より好ましい。適度な接地感が伴う。
試乗車は英国仕様のタクミ・グレードで、洗練されたアダプティブダンパーが組まれていた。低速域での入力を巧みになだめ、車内を快適に保ち、外界からの隔離性は高い。
もっとも、通常のダンパーが組まれていてもRXは乗り心地が良好。高速道路のクルージングを平穏にこなせる。
この質感を僅かに濁しているのが、4気筒エンジンだ。高速道路の速度域では、遠くで働いていることを知らせる程度だが、坂道や高負荷時には頑張っている様子をノイズで教えてくる。
音量は抑えられ、不快に感じるほどではない。だが、レクサスらしいラグジュアリーさを高めるものでもない。
この辺りは、パワフルな駆動用モーターを搭載するPHEVが有利といえる。重い駆動用バッテリーが空になった場合は、エンジンがさらに踏ん張ることになるのだが。