フォード・ブロンコ 欧州で限定販売へ オフロード特化の本格SUV、右ハンドルはなし

公開 : 2023.03.16 18:25

フォード・ブロンコが欧州市場で初めて正式導入されます。取外し可能なドアなどオフロード走行に特化した装備・機能を備えていますが、右ハンドルの英国には未導入です。

米国を代表するオフローダー、欧州へ

フォードは、米国で人気を集めたSUVのブロンコを、初めて欧州市場に導入する。少量の限定販売となる。

欧州では今年後半に発売される予定で、オフロード走行に適したバッドランズ仕様とアウターバンクス仕様の2つのトリムが用意される。米国仕様と同じ直噴2.7L V6ガソリンエンジン「エコブースト」を搭載し、最高出力335psと最大トルク57kg-mを発生する。

フォード・ブロンコ・バッドランズ
フォード・ブロンコ・バッドランズ    フォード

トランスミッションは10速ATを採用する。過酷な路面状況でエンジン回転数を2400rpmに保ち、約5km/hで確実に前進する機能を備えている。

オフロード特化型のバッドランズ仕様には、フロントディファレンシャルロック、アンチロールバーの連結解除機能、二輪と四輪の駆動モード切り替え機能などが追加される。

欧州向けの価格について未発表だが、今のところ右ハンドルの英国への導入予定はない。

走りもデザインもアドベンチャー志向

有名なクロスカントリー車の名称を受け継ぐフォード・ブロンコは2021年に米国で発売され、大きな注目を集めた。昨年、米国では11万7057台が販売された。

スチールシャシーをベースに、7本のクロスメンバーで剛性を高め、サスペンショントラベルは最大259mmに設定されている。

フォード・ブロンコ・バッドランズ
フォード・ブロンコ・バッドランズ    フォード

フォードのテレイン・マネージメント・システムが標準装備され、オフロード初心者のドライバーでもポテンシャルを最大限に発揮できるようになっているという。

ドライビングモードには、「ノーマル」、「エコ」、「スポーツ」、「スリッパリー」があるが、ハードなオフロード向けの「Go Across Any Type of Terrain」(通称GOAT)モードも搭載されている。モード切り替えにより、スロットル、トランスミッション、ステアリングのレスポンスを調整する。

また、オフロードでの旋回時に内輪にブレーキをかけ、回転半径を最大40%縮小する「トレイルターンアシスト」も採用された。

フロントウイングにはトレイルサイトが備わる。これは、地形に対して自車の位置を把握するためのパーツだが、最大68kgの荷重に対応し、サーフボードやカヌーの運搬にも使用できる。

エクステリアデザインは、1966年に登場した初代ブロンコからインスピレーションを得ている。ショートオーバーハング、フルワイドグリル、円形のヘッドライト、スクエアなボディパネルが特徴だ。

ルーフやドアなど、ボディパネルの一部は取り外し可能になっている。フロントグリルやバンパーも交換可能だ。テントやキャンプ用品などのアクセサリーを取り付けるためのマウントポイントも内蔵される。

インテリアもハードな使用を想定した作りとなっている。フォードの最新インフォテインメント・システム「Sync 4」を採用し、8.0インチのTFTインストゥルメントクラスターと12.0インチのセンタースクリーンが並ぶ。360度カメラシステムも標準装備されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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