フォルクスワーゲン 次世代小型EV「ID.2」コンセプト公開 ポロ似のデザイン採用
公開 : 2023.03.16 18:05
フォルクスワーゲンが「ID.2all」というコンセプトモデルを公開。2026年に約350万円以下での発売を目指す小型EVです。前輪駆動プラットフォームを採用し、新しいデザイン言語を披露しています。
2026年発売予定 低コスト目標
フォルクスワーゲンは、新型EV「ID.2all」コンセプトを公開した。欧州で2026年に発売予定のコンパクトEVハッチバックを予告するもので、ビートルやゴルフ、ポロなどから引用した新しいデザイン言語を披露している。
ID.2allの市販版は、フォルクスワーゲンとして初めてMEBエントリー・プラットフォームを採用する予定だ。フォルクスワーゲンのEVラインナップの中では、ID.3の下に位置する最小のモデルで、「ゴルフのように広く、ポロのように安い」と表現されている。2万5000ユーロ(約350万円)以下の価格設定を目標にしているという。
フォルクスワーゲンの新しいデザイン言語も大きな特徴となる。今後の新型EVに順次導入し、ブランド刷新を図る。ID.2allコンセプトは、ID.3よりもポロやゴルフなどのエンジン車に近いスタイリングとなっている。
2月にベントレーから移籍した新しいデザイン責任者、アンドレアス・ミント氏は、ID.2allコンセプトを使って新しいデザイン言語の確立を目指した。ミント氏率いるデザイン部門は、わずか6週間でコンセプトモデルを設計しなければならなかった。
前輪駆動プラットフォーム初採用
ID.2allの全長は4050mmで、現行のポロよりわずかに短いが、ホイールベースは2600mmと大幅に長い。490Lのラゲッジ容量を持ち、後部座席を倒すと1330Lに拡大できるなど、広い室内空間を特徴とする。
注目すべきは、既存のMEBプラットフォームで作られたEVは後輪駆動であるのに対し、MEBエントリー・プラットフォームは前輪駆動であるという点だ。フロントに搭載されるモーターで最高出力226psを発揮し、ID.2allの航続距離は最大450kmと謳われている。
プラットフォームを前輪駆動に変更したのは、ラゲッジ容量を最大化するためだ。
このプラットフォームは、38kWhと56kWhの2種類のバッテリーサイズに対応しており、使用されるセル技術はそれぞれ異なるという。38kWhのバッテリーにはリン酸鉄リチウムの角型セルが使用されるが、56kWhについては詳細が伏せられている。
フォルクスワーゲンは、ID.2allに搭載される58kWhのバッテリーは、10~80%の充電を約20分で完了し、最大充電速度は125kWになるとしている。
最高速度は160km/h、0-100km/h加速は7.0秒以下だという。