知る人ぞ知るデンマークの自動車メーカー「ゼンヴォ」 6.0L V12ツインターボの限定車発売へ
公開 : 2023.03.17 06:05
デンマークの自動車メーカーであるゼンヴォは、新型ハイパーカー「オーロラ」を発売する計画を明らかにしました。現行TSR-Sをの後継となる次世代車で、ユニークなエアロダイナミクスを特徴としています。
次世代車オーロラ 100台限定
デンマークの自動車メーカーであるゼンヴォは、V12エンジン搭載を搭載するハイブリッドハイパーカー「オーロラ」を発売すると発表した。
詳細は8月に公開予定だが、オーロラはTSR-Sの後継モデルで、わずか100台の限定生産となる。現時点ですでに30%が予約されているという。
6.0L V12ツインターボを搭載する予定で、その最高出力はTSR-Sのの1193psを上回る可能性が高い。
デザインは公開されていないが、「Agil(アジャイル)」と「Tur(ツアー)」の2種類の仕様が用意される。Agilはサーキット特化型で、Turは長距離走行を目的とした仕様だ。
ゼンヴォは、オーロラの最高速度が400km/hに達するとしているが、これは従来のTSR-SやST-1を上回るものだ。同社初の市販車であるST-1は、最高出力1104ps、最高速度375km/hを誇る。2009年から2016年にかけて、わずか15台が製造された。
オーロラは、「1マイルあたりの笑顔」を最大化するというゼンヴォの理念に沿って、これまでのモデルと同様に、性能の数値よりもドライバー・エンゲージメントに重点を置くことになる。
TSR-Sは、ゼンヴォ独自の可変リアウィング(走行中、左右に傾く)をはじめとするアクティブエアロダイナミクスを採用しているが、次期型のオーロラでも引き継がれるようだ。
世界的な販売増を目指すゼンヴォ
AUTOCARのインタビューに応じた製品責任者のアルベルト・ソレラ氏は、3Dプリントされたコンポーネントと軽量のカーボンファイバーを多用することを明らかにした。カーボンファイバー製のモノコックやサブフレームとともに、将来のモデルとコンポーネントを共有できるようなモジュラーアーキテクチャーを採用する予定だという。
ゼンヴォはカーボンファイバーに力を入れており、30名以上のフルタイムスタッフのうち5名がその関連業務に注力しているという。また、ゼンヴォではホイールも2週間かけて内製している。
なお、オーロラの開発には元アルファ・ロメオのデザイナーであるクリスチャン・ブラント氏も深く携わっている。
ゼンヴォのCEOであるアンジェラ・ハートマン氏はAUTOCARに対し、ブランドが確立された今、優先すべきは世界的な拡大プログラムによる販売増であると語った。同時に、少量生産の「ブティック」的なブランドも維持するとしている。同社は現在、欧州市場を基盤としており、今後は北米や中東での展開を目指している。
現在の生産台数は、ケーニグセグやパガーニとほとんど同じ規模だ。しかし、モジュール式プラットフォームへのシフトにより、今後生産台数を大幅に増加させると予想される。
実際、ゼンヴォは今後10年で販売台数を伸ばし、世界有数のスーパーカーメーカーになるという計画を秘めている。小規模メーカーであるため、EUの企業平均CO2排出量の規制からは除外されている。