Sクラスや7シリーズに対する強みは? レクサスLS(XF50) 英国版中古車ガイド 洗練のマナー

公開 : 2023.04.03 08:25

レクサスのフラッグシップ・サルーン、LS。5代目となるFX50を、英国編集部が中古車で振り返ります。

Sクラスや7シリーズの直接的なライバル

今回はレクサスのフラッグシップサルーン、5代目LSを再確認してみよう。知的なハイブリッド・システムを搭載し、高品質なインテリアを備え、スタイリッシュなスタイリングで身を包んだ1台だ。

しかし、5代目に与えられたハードルは高い。高級サルーンの代名詞、メルセデス・ベンツSクラスや、ドライバーも満たしてくれるBMW 7シリーズの、直接的なライバルになることが目指されている。一筋縄ではいかない相手といえる。

レクサスLS 500h AWD(XF50/英国仕様)
レクサスLS 500h AWD(XF50/英国仕様)

英国では、レクサスLSはとても珍しい。Sクラスは上級ハイヤーの定番といえ、ロンドンの市街地で見かける頻度が高い。一方のLSは、2021年に10台しか売れていない。英国で出会えればラッキーといえるだろう。

LSの魅力の1つといえるのが、高効率なハイブリッド・パワートレイン。レクサスを擁するトヨタは約30年に及ぶ開発経験を有し、ブランド自らこの技術を売りにしている。もう少し注目されても良いように思う。

英国仕様のLSで選べるパワートレインは、3.5L自然吸気V6ガソリンに、2基の電気モーターとリチウムイオン・バッテリーという組み合わせのみ。オプション以外で選べるのは、後輪駆動か四輪駆動かに限られる。

システム総合での最高出力は359psがうたわれ、0-100km/h加速を5.4秒でこなす。約2.4tの車重には、不足ない動力性能といえる。

ただし、ためらうようなアクセル・レスポンスが玉に瑕。高級リムジンのドライバーが望む、繊細な制御をしにくいと感じる場面がある。

走りのFスポーツか快適性のプレミアか

英国仕様の5代目には、ベースグレードのほかに、ラグジュアリーとFスポーツ、プレミアというトリムグレードが当初用意されていた。ベースグレードでも装備は充実しているが、殆どはトップグレードのプレミアが指定されたようだ。

ベースグレードでは20インチのアルミホイールを履き、オートハイビーム付きのLEDヘッドライトが組まれる。車内には12.3インチのインフォテインメント用モニターにメーター用モニター、360度カメラ、デュアルゾーン・エアコンなどが備わる。

レクサスLS 500h AWD(XF50/英国仕様)
レクサスLS 500h AWD(XF50/英国仕様)

その1つ上がラグジュアリー。4ゾーン・エアコンに23スピーカーのプレミアムオーディオ、ベンチレーション機能付きの28ウェイ・パワーシートなどが装備される。

Fスポーツは、その名の通りスポーティさを高めたグレード。専用アルミホイールに、レクサスの「L」がデザインされたフロントグリル、ブラック塗装のブレーキキャリパー、テールスポイラーやサイドスカートなどの専用ボディキットを得る。

インテリアでは、レザーシートの表皮が上質に。可変レシオ・ステアリングや後輪操舵システムも実装されるが、7シリーズに迫るドライビング体験までは得ていない。

それと反対側にあるのがプレミアで、快適性へ軸足がある。車線維持支援に衝突被害軽減ブレーキ、アクティブ・ステアリングアシストなど、運転支援システムが充実する。

フロントシートにはマッサージ機能が付き、リアシート側にはエンターテインメント用モニターとフットレストも用意される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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