スーパーカーの認定中古車専門店、どんなところ? 約4割が選ぶマクラーレン・クオリファイド 大阪の新店舗に潜入

公開 : 2023.03.29 11:25

関西地区にお住まいの方にニュースです。マクラーレンの「認定中古車」専門店が大阪府豊中市に新規オープン。販売が伸びているワケを探りました。

富裕層が選ぶマクラーレンのユーズドカー

日本におけるマクラーレンの保有台数は、現在1700台ほどだという。

新型車「アルトゥーラ」の納車も始まって、これからの1年で、2000台の大台超えが見えてきたところだ。

ユーズドカー市場における「認定中古車の販売台数の割合」が高いマクラーレン。写真は、新店舗を運営する八光自動車工株式会社の池田晋八 代表取締役。
ユーズドカー市場における「認定中古車の販売台数の割合」が高いマクラーレン。写真は、新店舗を運営する八光自動車工株式会社の池田晋八 代表取締役。

マクラーレンの中古車マーケットまで視野を広げると、面白い傾向が浮かび上がってくる。

2019年に、いわゆる認定中古車の販売台数が100台/年を超えた。コロナ禍の中でも伸び続け、昨年は213台まで拡大している。

マクラーレン車の中古車市場に占める「認定中古の販売台数の割合」を調べてみると、じつに38%~40%を推移してきた。約4割というのは、他のスーパーカーブランドと比較しても極めて高い数値だ。

先週、マクラーレンの新たな認定中古車店「マクラーレン・クオリファイド大阪」がオープンしたので、店舗を訪れてその辺りを伺ってみることにした。このブランドでは認定中古プラグラムを「クオリファイド」と呼ぶ。

同店は、認定中古に特化したショールームとして東京店に次いで2番目となる新施設。そばに名神高速「豊中IC」と阪神高速「豊中南 出入口」が位置する恵まれたロケーションだ。

4階建ての新店舗 豊中ICから2分

近年の自動車市場は、国産・輸入車を問わず新車の納期が伸びており、すぐに納車してもらえる中古車の引き合いが増えている。

これは高級車・スーパーカーのマーケットでも変わらない。

マクラーレン・クオリファイド大阪(豊中市名神口1-14-33)は、1階と3階がショールーム。敷地内に20台を展示できる。
マクラーレン・クオリファイド大阪(豊中市名神口1-14-33)は、1階と3階がショールーム。敷地内に20台を展示できる。

程度や価格が個体によって異なるユーズドカーは、買い手に“信頼して付き合えるショップ”を見極める眼力が求められるが、その判断は難しい。

いわゆる「認定中古車」と呼ばれるものには、品質面で正規ディーラーの名に恥じない基準が設けられている。「ハズレ」を引く不安がないことは大きなアドバンテージだが、これほどの割合で認定中古が選ばれる理由は他にもあるのだろうか。

そんなことを考えながら訪れた「マクラーレン・クオリファイド大阪」は、驚くことに4階建ての建物だった。八光自動車工業が運営している。

1階は華やかなショールームで、販売車両が展示されるほか、マクラーレン・ブランドのアパレルやグッズが並ぶ。

阪神高速から見える3階もショールームのフロアで、最大で20台の中古車をこの建物の中で目にすることができる。

2階には車両を整備するファクトリーがあるので、中を覗かせてもらった。

メカニックが語るマクラーレンの整備

整備ベイは8つあり、2柱のないパンタグラフ式のリフトが多い。見るからに作業性が高そうだ。この日は600LTのホイールアライメントを検査していた。

「(同社が運営する新車販売拠点)マクラーレン大阪、マクラーレン名古屋では、10~15%のオーナーがサーキット走行を楽しんでおられます。アライメントの調整をされる方もいらっしゃいます。このファクトリーなら、調節してすぐテスト走行に出て頂けますよ」

パンタグラフ式のリフトは5ベイ。空調のきいたファクトリーでは600LTのアライメントを調整中。取材時はマクラーレン・エルバも入庫していた。
パンタグラフ式のリフトは5ベイ。空調のきいたファクトリーでは600LTのアライメントを調整中。取材時はマクラーレン・エルバも入庫していた。

メカニックが見せてくれたのは、ホイールとタイヤのバランス取りに使うホイールバランサー。マクラーレンの場合はじつに繊細な作業だという。

「マクラーレンのホイールはとにかく精度が高いです」

「タイヤのユニフォミティをしっかり確認しながら作業していくわけですが、ホイールが軽量ですし精度があまりに高いので、1本の作業に1時間以上かけて追い込むこともありました」

サーキットも走るスーパーカーのメンテナンスともなれば、こうした整備体制や、車両を扱うノウハウがユーザーの信頼を得る「差」を生むわけだ。

八光自動車工株式会社の池田晋八 代表取締役は「新車・中古車の販売から、何かあった際の鈑金・塗装といったトラブル対応まで、フル・パッケージでお任せ頂けます」と、自社の強みを語る。

「鈑金・塗装の専用工場を東大阪に持っておりますので、カーボンタブの補修、アルミニウムの補修ができますし、わたくし共は“ローカルカラーミックス”の権利も受けております」

「例えば、スペシャルカラーのおクルマを修理でお預かりすることになっても、イギリスから塗料を取り寄せる必要がございません。自社で調合できますので、入庫して頂いたら、すぐ作業に取り掛かれるわけです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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