新たな7人乗りSUV登場 ルノー・エスパス 最高出力200psのフルハイブリッド搭載

公開 : 2023.03.29 18:05

欧州初のミニバンとして知られるルノー・エスパスが、最大7人乗りのSUVとして生まれ変わりました。日産エクストレイルと基本構造を共有しつつ、全長4.7mの車体にフルハイブリッド「Eテック」を搭載しています。

7人乗りのハイブリッドSUV

ルノーは、新型SUV「エスパス」を欧州で発表した。最大7人乗りのシートレイアウトを採用している。

日産エクストレイルとプラットフォームを共有するミドルサイズSUVのオーストラルをベースに、リアデッキを210mm延長して全長4720mmとなった。

新型ルノー・エスパス
新型ルノー・エスパス    ルノー

5人乗り仕様の場合、ラゲッジ容量は777Lを確保している。7人乗り仕様では、3列目のシートを立てた状態で159L、3列目を折りたたむと677Lに拡大できる。

パワートレインは、オーストラルと同じ最高出力200psのハイブリッドシステムを採用した。ターボチャージャー付き1.2L 直列3気筒ガソリンエンジンと電気モーター、小型バッテリーを搭載し、燃費は26.1km/l、CO2排出量は104g/kmとなり、小型車に匹敵する効率性を発揮する。

また、48Vマイルドハイブリッドも導入される予定である。オーストラルでは、出力140psと160psの2種類が用意されている。

最新版デジタルコックピット搭載

インテリアでは、12.3インチのデジタルメーターと12.0インチのインフォテインメント・タッチスクリーンを一体化したデジタルコックピット「OpenR」を装備する。

また、1平方メートル以上の面積を持つ欧州市場最大級のパノラマサンルーフも用意されている。

新型ルノー・エスパス
新型ルノー・エスパス    ルノー

スポーツカーブランドのアルピーヌの要素を取り入れた「エスプリ・アルピーヌ」モデルでは、サテングレーとブラックのボディカラー、アルピーヌバッジ付きのアロイホイールなどを採用している。

新型エスパスの価格はまだ公開されていないが、オーストラルの3万4000ユーロ(約485万円)より若干高くなると予想される。右ハンドルの英国への導入予定はない。

オーダーブックは今後数週間以内にオープンし、「エスパス」の誕生40周年に合わせてデリバリーを開始する予定だ。

ミニバンからSUVへ大転換

1983年11月、マトラ社とのコラボレーションにより誕生した初代エスパスは、欧州初のMPV(ミニバン)として知られている。7人乗り(うちリア5席は取り外し可能)で、運転席の後ろが完全にフラットなフロアとなっている。

1991年には2代目が登場し、最高出力270psのツインターボエンジンを搭載したパフォーマンス重視の四輪駆動コンセプトカーも誕生した。

新型ルノー・エスパス
新型ルノー・エスパス    ルノー

3代目からは横置きエンジンを採用した。大ヒットを記録したが、マトラ社で生産された最後のモデルとなった。

2008年に欧州が不況に見舞われると、4代目の販売は低迷し、2015年にはSUVのテイストを加えた5代目が登場したが、需要の回復にはほとんどつながらなかった。今回発表された6代目エスパスは、ミニバンからSUVへと根本的に転換したモデルである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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