韓国キアの大型SUV「EV9」 1回の充電で540km走行 個性と先進性アピール

公開 : 2023.03.29 18:25

キアは大型の電動SUV「EV9」の詳細を公開しました。3列シートを備えたフラッグシップモデルで、ユニークなデザインと快適性を重視したインテリアが特徴です。価格は未公表ですが、1000万円近くになる見込みです。

キア最大級のSUV レベル3自動運転

韓国の自動車メーカーであるキア(起亜自動車)は、フラッグシップモデル「EV9」の仕様詳細を公開した。今年後半に発売予定の大型EVである。

全長5010mm、ホイールベース3100mmで(米国で販売されるキア・テルライドより長い)、容量99.8kWhの800Vバッテリーを搭載する。1回の充電での航続距離は最大540kmとされ、急速充電によりわずか15分間で238km分の航続距離を確保できるという。

キアEV9 GTライン
キアEV9 GTライン    キア

シングルモーターの後輪駆動車は最高出力203ps、最大トルク35.7kg-mで0-100km/h加速9.4秒を達成する。デュアルモーターの四輪駆動車では最高出力383ps、最大トルク61.1kg-mにパワーアップし、0-100km/h加速は6.0秒となる。

購入後にダウンロード可能な「ブースト」機能をインストールすると、トルクが71.3kg-mに向上し、0-100km/h加速で5.3秒を達成できるという。

容量76.1kWhのバッテリーを搭載したエントリーモデルも設定されるほか、高性能モデルのEV9 GTも後日登場する予定だ。

現時点ではEV9 GTラインが最上位のモデルとなり、専用デザインのバンパーとホイール、ルーフレール、そしてダイナミックなLEDパターンが採用される。

また、一部の市場では15個のセンサー(2個のLiDARセンサーを含む)を使用して「一定条件下」でレベル3の自動運転が可能な「ハイウェイ・ドライビング・パイロット」システムも導入される予定だ。

EV9は3列シートを備えた電動SUVで、キアで最も高価なモデルであると同時に、最も大きなモデルの1つとなる。価格は、2023年第3四半期の発売に合わせて明らかになるが、エントリーモデルは6万ポンド(約970万円)台に近づくと思われる。

広いインテリア 回転シート付き

ダッシュボードの上部には、3枚のスクリーンを収容するデジタルパネルが置かれ、その両脇にはデジタルミラーディスプレイ(オプション)が備わる。

インテリアデザインの責任者であるヨッヘン・パエセン氏は、「スクリーンやデジタルコンテンツが主流になることは望んでいませんが、特に無線アップデートやオンデマンド機能によって、今日のクルマに不可欠な要素となっています。今後も成長し、可能性の幅も広がっていくでしょう。しかし、わたし達はそのバランスを取る必要があると感じています。スクリーンに支配されてはいけない。スクリーンが突然、クルマの主要部分になるようなことがあってはならないのです」と語っている。

キアEV9(6人乗り仕様)
キアEV9(6人乗り仕様)    キア

EVのフラットフロア構造を活用し、広さだけでなく、新しいパッケージングも試みている。6人乗り仕様にのみ装備される2列目シートの回転機構により、後部座席の4人が向かい合うことができる。このクラスのSUVではユニークな機能である。

フロントシートの背面にはトレイテーブルが設置され、後部座席用のデジタル空調操作パネルも備わるなど、快適性と先進性を強調したインテリアとなっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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