自動車の限界に挑んだ最高のハイパーカー 10選 絶対的なパワーの芸術

公開 : 2023.04.09 18:05

クルマの性能をひたすらに追求し、限界に挑戦するハイパーカー。時として常識を打ち破るメモリアルなモデルも登場します。いま、最も高価で、最も速いのはどれか。EV含め10台をピックアップして紹介します。

目指すは地平線の彼方

絶対的なパワーを愛するなら、ハイパーカーしかない。ハイパフォーマンス・アートの頂点に立つエキゾチックで高価で爆発的に速いハイパーカーたちは、お金に糸目をつけない最先端のエンジニアリングによって、究極のスリルをドライバーに提供する。

パフォーマンスカーの頂点に位置するハイパーカーの起源は、比較的新しい。ランボルギーニ・ミウラが60年代の最初のスーパーカーだとすれば、ハイパーカーの典型は間違いなく2005年のブガッティ・ヴェイロンであり、16気筒、4基のターボ、最高速度400km/hで新たな次元へ踏み込んだのだ。

性能の限界に挑む10台のハイパーカーを紹介する。
性能の限界に挑む10台のハイパーカーを紹介する。

ブガッティがセンセーショナルなデビューを飾ってから20年、ハイパーカーの数はヴェイロン並みのスピードで増えてきた。さらに、これらのマシンが最先端のスピード商人であることは、エンジニアリングに関しても妥協なき集団であることを意味する。純粋なガソリン車から、パワフルなPHEV、高エネルギーのバッテリーEVまで、さまざまな原動力を使って、可能な限り地平線に近づこうとしているのである。

今回は、パフォーマンスの限界に挑んだ最高のハイパーカーを10台紹介したい。そのどれもが、自動車史の殿堂に名を刻むべくスピード記録を塗り替えるようとする、スリル満点のハイ・オクタンな乗り物だ。

1. アストン マーティン・ヴァルキリー

アストン マーティン・ヴァルキリーのデザイン哲学については、「妥協がない」と表現するのがぴったりだ。レッドブルF1のテクニカル・ディレクターであり、エアロダイナミクスの天才であるエイドリアン・ニューウェイ氏が考案した驚異的な英国車で、究極のパフォーマンスを実現するために作られた。目標はラップタイムを塗り替えること以外の何物でもない。

ナンバープレート、ヘッドランプ、インジケーター(ウィンカー)をしっかり装着しているが、その実は純粋無垢なレーサーであり、たまたま車検を通すことができただけなのだ。軽量なカーボン製チューブは強度を重視して設計され、膝の高さしかないボディの表面は風洞データを基に彫刻され、アクティブ・エアロダイナミクスを備えている。

1. アストン マーティン・ヴァルキリー
1. アストン マーティン・ヴァルキリー

サスペンションも同様で、走行中に空力やコーナリングの負荷が加わっても、車高を一定に保とうとする。しかし、間違いなく一番のハイライトは自然吸気(ただし、マイルドハイブリッド)の6.5L V12エンジンで、回転数は1万1000rpmに達し、1155psの強烈なパンチで0-100km/h加速2.5秒、最高速度350km/hを達成する。

インテリアには必要最低限のものしか与えられておらず、2シーターにもかかわらずドライバーが入るスペースはギリギリだ。また、コスワース製V12が発する耳をつんざくような咆哮を防ぐには、ノイズキャンセリングヘッドフォンが必要である。

サーキットでこれほど速く走れるクルマはそうそうない。確かにアクティブサスペンションは重要なフィードバックを削ぎ落とし、標準装備のミシュラン・タイヤはヴァルキリーが発生させる驚異的な力に対応しきれていないが、直感的な自動車体験として、これに近いものはほとんどない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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