毎日お洒落に使いこなせるコンパクトEV 10選 日常に溶け込む粒ぞろいの欧州モデル
公開 : 2023.04.15 18:05
欧州では、小さなボディにバッテリーと電気モーターを搭載し、排気ガスを出さず、狭い街中でも扱いやすいコンパクトEVが数多く販売されています。その中から今注目の10台を英国編集部がピックアップします。
もくじ
ー街中で使いやすい小型EV バリエーション豊富
ー1. MG 4
ー2. プジョーe-208
ー3. フィアット500
ー4. ヴォグゾール・コルサe
ー5. ミニ・クーパーS E
ー6. ホンダe
ー7. マツダMX-30
ー8. ルノー・ゾエ
ー9. MG 5
ー10. オラ・ファンキーキャット
街中で使いやすい小型EV バリエーション豊富
EV(電気自動車)に最適なデザインを追い求めるとしたら、それは我々の住む住宅街や都市の環境に合わせたものになるだろう。すなわち、車両自体がコンパクトなものになるはずだ。
限られた駐車スペースや狭い街中での運転には、もともと小型のハッチバックが適しているし、電動パワートレインは静粛性が高く、アクセルレスポンスも速いので扱いやすい。もちろん、走行中に排気ガスを出さないという特性もあり、人口密集地では大きなメリットとなるだろう。
バッテリーが小さければ価格も安くなり、質量が小さければ中程度のパワーでも(少なくとも中低速では)十分なパフォーマンスを得られる。また、低重心でハンドリングもよく、ミニ・エレクトリックのようにゴーカートライクな楽しい性格を持つ車種もある。
もちろん欠点もある。都市に住む人は自宅での充電に困るケースが多いだろうし、公共の充電インフラもまだ十分とは言えない。また、郊外では、バッテリーが小さいと1回の充電で走れる航続距離が短くなるため、長距離の移動には向かない。
こうしたメリット・デメリットを踏まえた上で、AUTOCAR英国編集部は現在欧州で販売されているすべてのコンパクトEVをテストし、評価した。今回は、その中から最も優れていると思われる10台を紹介したい。
1. MG 4
このクラスのEVで最も破壊的な存在といえば、MGのハッチバック、「4」だろう。今回紹介する他車に比べて一回り大きく、どちらかというとフォルクスワーゲン・ポロよりもゴルフに近いサイズだが、その低価格は検討する価値がある。
64kWhのロングレンジ・バッテリーを選択した場合、航続距離は452kmに達する。最高出力170psと十分な性能を持つが、実際に走らせてみると、驚かされたのはハンドリングだ。従来の欧州ホットハッチのようなスリルはないものの、ステアリングは気持ちよく正確で、後輪駆動のシャシーが満足感のあるハンドリングバランスを持っている。思いがけない天啓のようなクルマだ。
内装はややモノクロで、プラスチックの素材感や仕上がりにはがっかりさせられる部分もあるが、全体のまとまりは悪くない。長時間の乗車も快適。特に3万ポンド(約490万円)以下という価格であれば、こうした小さな欠点も許せると思う。
2. プジョーe-208
内燃エンジン車のプジョー208は、群衆から際立つようなことはあまりない。しかし、EV仕様のe-208は、最も魅力的なコンパクトカーの1つだと英国編集部は評価している。その理由は、実用に耐えうる航続距離、強力なパフォーマンス、価格、実用性、スタイル、品質、そして走りの魅力にある。今年、初めてEVを買うなら、有力候補として検討する価値がある。
安っぽい他のEVとは異なり、e-208の豊かで個性的なインテリアは、外観と同様にスタイリッシュなものだ。実用性は後述のルノー・ゾエと同等で、ミニ・クーパーS Eよりも優れている。試乗してみると、洗練された走りはライバルに勝るとも劣らずといったところで、パフォーマンスもかなり高い。電気モーターを使った疾走感は十分に味わえる。
また、乗り心地も、車体の重さを感じさせないしなやかさがあり、高速域での車体の動きもよくコントロールされている。ステアリングにはダイレクト感があるが、積極的に走り込むとボディコントロールが少し悪くなる。しかし、ドライビングエクスペリエンスは丸みを帯びていて、とても印象的であった。362kmという航続距離も、決して馬鹿にできない。