X1・iX1と親戚関係に ミニ・クロスオーバー SE 試作車へ同乗 ちゃんと活発な走り味

公開 : 2023.04.18 08:25

ミニの人気ファミリーSUV、クロスオーバーにもEV版が控えています。英国編集部が開発中の試作車を味見しました。

BMW X1・iX1とメカニズムを共有

ミニのファミリーSUV、カントリーマン(クロスオーバー)は、2024年のモデルチェンジへ向けて準備が進んでいる。ひと回りボディサイズを成長させて。多様なニーズへ適合するべく、弟に当たる、ひと回り小さいミニ・エースマンも誕生予定にある。

お兄ちゃんになるクロスオーバーは、BMW X1とメカニズムを共有する。つまりiX1が存在するように、バッテリーEV(BEV)版も登場することになる。ちなみに、ハッチバックのクーパーもモデルチェンジを控えている。ミニの関係者は忙しいに違いない。

ミニ・クロスオーバー SE オール4 プロトタイプ
ミニ・クロスオーバー SE オール4 プロトタイプ

ミニ・ブランドのトップを務めるステファニー・ヴルスト氏は、「2人目の子供ができると、現在のクロスオーバーにはベビーカーを載せられない、という意見がありました。新しいモデルは、それに対応します」

「充分な車内空間がなかっためです。これまで、そんなユーザーを失ってきたので、(ボディサイズの拡大が)必要なのです」。と説明する。

結果的には、フォルクスワーゲンID.4のライバルになるクロスオーバーは、大きめのモデルを好む北米市場でミニのシェアを拡大させる可能性がある。従来のラインナップでは、叶えにくいことといえた。

クラスが格上げされる新しいクロスオーバーだが、名前は変わらない。ヴルストは、ユーザーを混乱させることはないという。「理解していただけると考えています。既にカントリーマンは、ビッグミニとしての地位を得ていますから」

全長4429mm、全高1613mmに成長

新しいクロスオーバーは、現在のモデルとは異なりフロントマスクが角張る。前後のオーバーハングが長くなり、よりSUVらしい見た目になるようだ。それでいて、独自のアレンジを加えつつ、クーパーと同様に丸いヘッドライトは変わらない。

ボディサイズは、現行のクロスオーバーから132mm伸ばされ、4429mmになる。全高は、車内空間の拡大を目的に56mm高くなり、1613mmになるという。

ミニ・クロスオーバー SE オール4 プロトタイプ
ミニ・クロスオーバー SE オール4 プロトタイプ

パワートレインのラインナップは、ガソリンエンジン版と電気モーター版の2種類へ改められる。プラグイン・ハイブリッド版は、廃盤になる見込み。

グレードとしては、従来のようにパワフルな「S」仕様がそれぞれに用意される。熱々のジョン・クーパー・ワークス(JCW)も、もちろん控えている。

ガソリンエンジンで走るクロスオーバーについては、まだ情報が明らかになっていない。BMW X1を参考にすると、前輪駆動の3気筒ターボと、四輪駆動の4気筒ターボという構成が予想できる。

BEV版は、クロスオーバー Eとクロスオーバー SEを名乗る。前者には、BMW iX1へも追って採用されるという、54kWhの駆動用バッテリーが搭載される。190psのシングルモーターで、前輪駆動となる。

クロスオーバー SEは、最新のBMW iX1と同じツインモーターの構成。総合で312psを発揮する駆動用モーターに、64.7kWhの駆動用バッテリーが組み合わされる。航続距離は約450kmになるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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