新型フォルクスワーゲンID.7 初公開 航続距離700kmの次世代EVセダン登場

公開 : 2023.04.18 06:45

フォルクスワーゲンは上海モーターショーで新型EVセダン「ID.7」を公開しました。全長約5.0mと現行のパサートより大型で、最長700kmの航続距離を誇ります。今年に秋から欧州と中国で発売予定です。

航続距離700km 全長5.0m級の大柄なセダン

フォルクスワーゲンの新型EV「ID.7」が上海モーターショーで公式発表された。高級感を強調した大型のセダンである。

フォルクスワーゲンID.7は、「長距離用」として設計されており、現行EVではまだ使用されていない86kWhバッテリーを搭載した「プロS」仕様では、最大700kmの航続距離を誇る。同社のEVとしては最長距離であると同時に、最も速い充電が可能であり、最大200kWの充電速度に対応している。

フォルクスワーゲンID.7
フォルクスワーゲンID.7    フォルクスワーゲン

標準の「プロ」仕様には、ID.4やID.Buzzでおなじみの77kWhバッテリーが搭載され、航続距離は615km、最大170kWでの充電が可能だ。

新開発のモーターと1速トランスミッションを採用することで、現行EVよりも効率とパワーデリバリーを向上させたという。このモーターは、これまでのフォルクスワーゲンの後輪駆動車の中で最も強力なもので、最高出力286psと最大トルク55.5kg-mを発揮し、0-100km/h加速は約6.0秒となる。

さらにツインモーターの「GTX」仕様も後日発表される予定だ。つまり、ID.7のパワートレインのラインナップは、シングルモーター/後輪駆動とツインモーター/四輪駆動の2種類が用意されることになる。これは、ライバルとなるテスラモデル3ヒョンデ・アイオニック6、ポールスター2などと同じ構成である。

まだ詳細は不明だが、ID.7 GTXでは、286psのリアモーターと108psのフロントモーター(ID.4 GTXと同じ)を組み合わせ、合計395ps近い出力を持つことになると予想される。

室内は高級感を演出 使いやすさも重視

全長約5.0m、ホイールベース約3.0mで、内燃機関モデルである現行のパサートよりも大きく、アルテオンに近いサイズだ。

室内は実用性を重視しているが、ボタンを押すだけで不透明から透明に切り替わるパノラマルーフ、マッサージシート、拡張現実(AR)ヘッドアップディスプレイ、車載システム「MIB」の最新版を搭載した15.0インチのインフォテインメント・タッチスクリーンなど、さまざまな工夫で高級感を演出している。

フォルクスワーゲンID.7
フォルクスワーゲンID.7    フォルクスワーゲン

フォルクスワーゲンは、新しいMIB(改良新型ID.3と共通)の使いやすさを強調している。タッチスクリーンの上部には、主要な機能に素早くアクセスできるダイレクトアクセスバーが新たに設けられた。例えば、使用中のアプリを閉じることなくメインメニューを開くことができ、ホーム画面ではよく使うアプリのアイコンを表示するよう設定することもできる。

また、室内温度とメディア音量を調節するタッチスライダーは照明付きで、夜間でも操作しやすいようになっている。

ID.7は、今年の秋に欧州と中国で発売され、2024年に米国でも発売される予定である。価格は未定だが、フォルクスワーゲンは5万ポンド(約830万円)前後のスタート価格を提示している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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