安価な乗用EV BYD新型「シーガル」公開 4人乗りハッチバック、航続距離400kmか

公開 : 2023.04.19 19:25

BYDは上海モーターショーで新型EV「シーガル」を公開しました。コンパクトな4人乗りのハッチバックで、ナトリウムイオンバッテリーを採用。価格は約130万円と見込まれ、中国で最安価クラスの乗用EVと期待されます。

約130万円のEVハッチバック

BYDは4月18日開幕の上海モーターショーで、新型EV「シーガル(Seagull)」を公開した。中国で最も安価な乗用EVの1つになると期待されている。

フィアット・パンダとほぼ同じ大きさのコンパクトな4人乗りハッチバックで、既存のBYDドルフィンの下に位置するエントリーモデルとなる。

上海モーターショーで公開されたBYDシーガル
上海モーターショーで公開されたBYDシーガル    AUTOCAR

BYDはドルフィン、シールアット3の計3車種を欧州向けに導入予定であることから、シーガルもラインナップに追加する可能性はある。しかし、BYDのオーストラリアの輸入代理店がシーガルの輸入を断念しているため、右ハンドル車の優先順位は今のところ低いと言えるだろう。

シーガルのサイズは、全長3780mm、全幅1715mm、全高1540mm。ショートオーバーハング、短いボンネット、アップライトなリアエンドなど、運転のしやすさを重視していることが伺える。

スタイリング的には、BYDのEVファミリーの一員であることが明確に伝わる。一連のデザインは、アルファ・ロメオ8Cコンペティツィオーネ、セアト・イビサ、アウディランボルギーニのモデルで知られるBYDグループのヘッドデザイナー、ヴォルフガング・エッガー氏が担当した。

アット3やシールと同様、シーガルはBYD最新の第3世代EVプラットフォームを使用している。同社はまだ正式な仕様を発表していないが、中国からのリーク情報によると、フロントマウントのシングルモーターの出力は75psと100psの2種類あり、バッテリーも2種類から選択可能なようだ。30kWhのバッテリーでは航続距離305km、38kWhで405kmとされる。

30kWh仕様は、BYDのEVとして初めてナトリウムイオンバッテリーを採用した。製造コストが安いという特徴があるが、低温に弱く、エネルギー密度が低く、充電速度も遅いという欠点がある。

インテリアでは、兄弟車の特徴的なコクピットデザインを小型化し、ボタン操作で回転する12.8インチのセンタータッチスクリーンと5.0インチのフルデジタルメータークラスタを装備している。

価格については、中国メディアによると、7730ポンド(約130万円)で発売されるとのことだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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