JLR 英ヘイルウッド工場でEV生産へ イヴォークなど新型3車種、2025年より電動化
公開 : 2023.04.21 06:25 更新 : 2023.06.07 20:21
JLRは、2025年より英ヘイルウッド工場をEV専用工場へと切り替える予定です。新しいEMAプラットフォームをベースに、レンジローバー・イヴォークなどの次世代モデルを生産するとのこと。
ヘイルウッド工場がEV専用に EMAベース
レンジローバー・イヴォーク、レンジローバー・ヴェラール、ランドローバー・ディスカバリー・スポーツの次世代モデルは、EV専用モデルとなる。
ジャガー・ランドローバーは4月19日よりコーポレート・アイデンティティを変更し、「JLR」として新しい戦略を打ち出した。電動化を中心とするブランド再構築を掲げ、英国のヘイルウッド工場は2025年から同社初のバッテリーEV専用工場になると発表している。
ヘイルウッド工場では、先述の3車種を生産する。いずれもエレクトリファイド・モジュラー・アーキテクチャー(EMA)と呼ばれるEV専用プラットフォームを使用する予定だ。EMAはこれまでハイブリッド車にも採用される計画だったが、現在ではEVのみとなっている。
JLRのエイドリアン・マーデルCEOは、市場がEVに大きくシフトしていることを受け、今後のミドルサイズSUVモデルも同じようにシフトすることが理にかなっていると述べた。
マーデルCEOによると、次期型イヴォークとディスカバリー・スポーツを含む「3車種、あるいは4車種」がEMAベースで生産されるという。発表によれば、ヘイルウッド工場で生産される最初のモデルは「レンジローバーファミリー」になるとのことだ。そのモデルはイヴォークではなく、ヴェラールであると予想される。
4台目のモデルの正体はまだわかっていないが、小型のディフェンダーや、ディスカバリーシリーズの派生モデルの可能性がある。
新型車は将来的に、欧州のタタのギガファクトリーからバッテリーを調達する予定だが、それまでは既存の外部供給先から調達することになる。
JLRは昨年、ヘイウッド工場をEV専用工場に転換する最初のステップを踏み出した。9月の時点で、同社は新しいEMAで生産するために工場をアップグレードする入札プロセスを開始したと、関係者がAUTOCARに語っている。
ヘイルウッド工場は、英国に3つある車両組立施設の1つである。業界が電動化への移行を進める中でヘイルウッドの将来性は不透明であったが、今回のニュースは3700人の従業員にとって朗報となることだろう。
今のところ、ヘイルウッドはJLRのEV生産の中心的な役割を担うことが示されており、その将来は中期的にも確実であろう。この工場はフォードが1963年に開設したもので、敷地の一部をトランスミッションの生産用に残し、2024年までに3億8000万ポンド(約630億円)を投資して電気駆動系工場として再利用する予定だ。
地元の自治体に提出された書類によると、JLRは昨年夏、「新しいモデルラインの生産能力を高めるため」に車体工場の拡張計画を申請している。2階建ての新しい建物により、金属製ボディを接合するエリアを約3万2000平方メートル拡張することになる。
JLRは2030年までに世界販売台数の60%を完全なEVとし、10%をPHEV、30%をマイルドハイブリッド車またはスタンダードハイブリッド車とすることを目標としている。また、2039年までにサプライチェーン、製品、オペレーションのすべてを通じて排出ガス量実質ゼロを目指す。
画像 ランドローバーの主力3車種、2025年からEVに?【レンジローバー・イヴォーク、ディスカバリー・スポーツなどを写真で見る】 全57枚