BEVホットハッチ アバルト500e ハンドリング重視のチューニング 6月より納車開始

公開 : 2023.04.24 18:45

アバルト初のEVとなる「500e」が英国デビューを果たしました。パワーアップとハンドリング向上を図った高性能モデルで、ガソリンエンジンを凌駕するという人工的なサウンドも搭載しているとのことです。

イタリアンブランドの電動ホットハッチ

英ロンドンで開催されたサロン・プリヴェにおいて、イタリアのスポーツカーブランドであるアバルト初のEV、500eが公開され、英国デビューを果たした。

595などの従来車とともに展示された500eは、フィアット500eの高性能モデルとして設計されているホットハッチだ。英国では限定生産のローンチエディション「スコーピオニッシマ」が3万8695ポンド(約640万円)から販売される。

アバルト500e
アバルト500e    AUTOCAR

アバルトは500eについて、これまでで最も魅力的で、レスポンスの良いダイナミックなモデルであるとしている。昨年11月に正式発表され、今年6月に納車が開始される予定だ。

パワートレインとしては、フィアット500eをベースにモーターの応答性を高めるなど一連のアップグレードを施している。バッテリーは42kWhと変わらないが、最高出力155psと最大トルク24kg-m(35psと1.5kg-mのアップ)を発生させる。

0-100km/h加速は2.0秒短縮の7.0秒となり、ガソリン車のアバルト695のタイム(6.7秒)に肉薄している。しかし、アバルトは発進加速ではなく、中速域での加速力向上に力を入れており、20-40km/hを1秒、40-60km/hを1.5秒未満で達成するという。

ホイールベースはフィアットより24mm長く、トレッド幅も60mm広くなっている。バッテリーを床下に搭載することによる低重心化もあって、コーナリング性能が向上し、ガソリン車より優れたハンドリングを発揮するという。

バッテリーEVではあるものの、アバルトは「サウンドはブランドにとって重要」とし、ガソリンエンジンを凌駕するという人工的なサウンドを標準装備している。この機能をオフにすれば無音走行も可能だ。

パフォーマンスを追求したチューニング

フィアットとアバルトのCEOを務めるオリヴィエ・フランソワ氏は、次のように述べている。

「新型アバルト500eは、ブランドの歴史の中で最もエキサイティングな製品の1つです。わたしは500eを家族のように考えているので、アバルトのファンの皆様は電動化の旅のすべてのステップに参加することになるでしょう」

アバルト500e
アバルト500e    AUTOCAR

「『なぜEVなのか』と聞かれるかもしれません。基本的には、パフォーマンスによるものです。アバルトで行われたすべての変更は、最高のドライビング・パフォーマンスを得るために行われたものです。創業者であるカルロ・アバルトは、まさにそうやって常に攻め続けてきたのです」

エクステリアとしては、ワイドでスクエアなフロントエンド、サイドスカート、リップスポイラーが採用され、アバルトらしいスポーティなデザインとなっている。

インテリアでは、7.0インチのメータースクリーン、リアビューカメラ、10.25インチのインフォテインメント・タッチスクリーンなどを標準装備する。上級モデルには、アルカンターラのスポーツシートとJBLサウンド・システムが搭載される。

また、695と同様にハッチバックとカブリオの2種類が用意されている。

モーターのチューニングにより、航続距離はフィアットの230kmよりわずかに短くなると予想される。しかし、85kWの急速充電速度に対応し、空の状態から35分で80%まで充電できる。

限定販売のスコーピオニッシマ仕様は、アシッドグリーンとポイズンブルーの専用ボディカラー、18インチのアルミホイール、ガラスルーフ、スチールペダルなどを装備している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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