フォルクスワーゲン主力EV「ID.3」 改良型は約620万円から 車載システム使い勝手向上
公開 : 2023.04.27 18:05
フォルクスワーゲンが販売する小型EV「ID.3」の改良新型が4月27日に英国で受注開始となります。これまで30万台を売り上げた人気車種ですが、改善すべき点も数多く指摘されており、今回の改良の焦点となりました。
ゴルフサイズの主力EV、アップデート
フォルクスワーゲンは、英国における改良新型ID.3の受注を4月27日に開始する。従来の車載ソフトウェアとインテリアの品質に関する問題を受け、当初の予定より一足早く投入された。
フォルクスワーゲンのトーマス・シェーファーCEOは昨年10月、欧州向け主力EVであるID.3の改良について、「品質、素材、システム安定性の面で、大幅かつ顕著な飛躍を遂げています。当社はID.3のコミュニティーの声に非常に注意深く耳を傾けてきました。ID.3はフォルクスワーゲンブランドが約束したことを実現するものです」と述べた。
英国価格は、ベースモデルのID.3プロが3万7115ポンド(約620万円)から、ID.3プロSが4万2870ポンド(約715万円)からとなる。生産の効率化のために、ID.3のラインナップはこの2モデルだけに絞られた。
ID.3は2019年に欧州でデビューしたハッチバックの小型EVで、サイズは全長4261mm、全幅1809mm、全高1568mmと、フォルクスワーゲン・ゴルフに近い。
内外装デザインも一新 質感アップ
今回の改良では、最新世代のIDソフトウェアパッケージが搭載され、簡単に操作できるようメニューが変更されている。
センタータッチスクリーンは10.0インチから12.0インチに拡大された。クラウドベースの音声認識システム(オプション)は反応速度が向上し、ヘッドアップディスプレイもAR(拡張現実)機能に対応するようになった。
また、ダッシュボード下部の樹脂素材を変更するなど、インテリアの質感も高めている。上級モデルでは、ダッシュボード上部にも新素材を採用する。
エクステリアも手が加えられた。フロントバンパーに縦型のエアダクトを備え、フロントガラス下の黒いパネルを廃止し、ボンネットを新型のプレス製とした。空気抵抗もわずかに改善されたという。
リアエンドではテールランプのデザインが一新され、X字型のデイタイム・ランニング・ライトや新しいスクロールウインカーなどが採用されている。
ID.3はMEBプラットフォームをベースとしており、モーターやバッテリーは従来通りリアに搭載され、後輪駆動となっている。
最高出力207psと最大トルク31.5kg-mを発生し、0-100lkm/h加速はプロで7.3秒、プロSで7.7秒とされる。前者は58kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電で426km、後者は77kWhのバッテリーで545kmの航続距離を実現している。
また、大型のID.4と同様に、DC急速充電の最大出力が125kWから170kWに引き上げられた。