ジウジアーロ、新作ハイパーEVを一挙5台公開 「らしさ」ちりばめ 新提案も

公開 : 2023.05.04 11:35  更新 : 2023.05.08 08:28

ジウジアーロ親子の「GFGスタイル」と新興自動車ブランド「ラフィット・アウトモービリが5台のEVを一挙公開しました。

ジウジアーロから電動ハイパーカー5台

イタリア・トリノのカーデザイン会社「GFGスタイル」と新興自動車ブランド「ラフィット・アウトモービリ」は2023年5月3日、米国マイアミで電動ハイパーカー5台を公開した。

GFGスタイルは、イタリアを代表するカーデザイナーの1人であるジョルジェット・ジウジアーロと彼の子息ファブリツィオ・ジウジアーロが率いるデザイン・コンサルタント会社。2人が長年経営に携わってきたイタルデザイン社を後にした2015年に設立された。

「GFGスタイル」と「ラフィット・アウトモービリ」が2023年5月3日マイアミで公開したコンセプトカー。左から「アトラックス」「アトラックス・ストラダーレ」「LM1」「バルケッタ」そして「バルケッタ・クーペ」
「GFGスタイル」と「ラフィット・アウトモービリ」が2023年5月3日マイアミで公開したコンセプトカー。左から「アトラックス」「アトラックス・ストラダーレ」「LM1」「バルケッタ」そして「バルケッタ・クーペ」    GFG Style

ラフィット・アウトモービリは、GFGスタイルと同じトリノに拠点をもつマニファクチュア。社長のブルーノ・ラフィットは、1974年から1986年までウィリアムズおよびリジェでF1ドライバーを務めたジャック・ラフィット(1943年〜)の甥にあたる。先に2020年にはオフロードカー「GテックXロード」をリリースしている。

GFGスタイルとラフィット両社がF1マイアミ・グランプリに合わせて現地で発表した5台はいずれも100%電気自動車で、「アトラックス」「アトラックス・ストラダーレ」「バルケッタ」「バルケッタ・クーペ」そして「LM1」と名づけられている。

ファブリツィオ・ジウジアーロのディレクションのもとデザイン開発がおこなわれた。

5モデルに共通するデザイン

5モデルに共通するデザインは、フロントビューに最も顕著にみられる。低く構えたスポイラー、ライトクラスターをはさむ水平基調のライン、輪郭が強調されたエアインテーク、そしてデイタイム・ランニングライト(昼間走行用ライト)だ。

いっぽうBピラーは、共通のグラフィック・テーマを維持しながら、異なるプロポーションや機能が各モデルに与えられている。

フロントビューは共通のイメージが与えられた。
フロントビューは共通のイメージが与えられた。    GFG Style

アトラックス

「アトラックス」はオフロード走行にも耐えるエクストリーム・ハイパーSUV。シート配置は2+1だ。

後部に備えられたスペアタイヤはクモの形をしたアタッチメントで支えられるとともに、油圧の力を借りてリフトできる。

アトラックス
アトラックス    GFG Style

アトラックス・ストラダーレ

そのアトラックスを基に、より公道走行を意識したのが「アトラックス・ストラダーレ」である。

両車とも通常のセンターコンソール部分には専用のトロリーケースが収められるようになっている。

アトラックス・ストラダーレ
アトラックス・ストラダーレ    GFG Style

バルケッタ

「バルケッタ」は運転席/助手席が独立したコクピットと、それぞれのウインドシールドをもつスパイダーである。

バルケッタ。シザーズ・ドアとともに、乗降を助けるべくウインドシールドもポップアップする。
バルケッタ。シザーズ・ドアとともに、乗降を助けるべくウインドシールドもポップアップする。    GFG Style

バルケッタ・クーペ

「バルケッタ・クーペ」は、そのシングル・キャノピー仕様として造られた。

バルケッタ・クーペ。リアビューはデジタルミラー方式である。
バルケッタ・クーペ。リアビューはデジタルミラー方式である。    GFG Style

記事に関わった人々

  • 大矢アキオ

    Akio Lorenzo OYA

    在イタリアジャーナリスト。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で比較芸術学を修める。イタリア中部シエナ在住。今思えば最初に覚えたイタリア語は「ルーチェ」「カリーナ」「クオーレ」、フランス語は「シャルマン」と絶版車名ばかり。NHK語学テキストに長年執筆。NHK「ラジオ深夜便」にも出演中。「シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザインの軌跡」(三樹書房)をはじめ著書訳書多数。

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