何にでも使える優秀なハッチバック 10選 スタイリッシュで充実装備の欧州コンパクトクラス
公開 : 2023.05.09 06:05
コンパクトなボディに実用性と充実装備を詰め込んだ、スタイリッシュな欧州ハッチバック。比較的手頃な価格と、どんなニーズにも応える汎用性の高さは他のクラスの追随を許しません。英国編集部がベスト10を選出します。
もくじ
ーお手頃で汎用性の高いコンパクトハッチバック
ー1. フォルクスワーゲン・ゴルフ
ー2. フォード・フォーカス
ー3. スコダ・オクタヴィア
ー4. プジョー308
ー5. ホンダ・シビック
ー6. MG 4
ー7. クプラ・ボーン
ー8. トヨタ・カローラ
ー9. BMW 1シリーズ
ー10. メルセデス・ベンツAクラス
お手頃で汎用性の高いコンパクトハッチバック
SUVやクロスオーバーの絶え間ない台頭により、従来のコンパクトハッチバックは、かつてのような販売力を失っている。しかし、スイス・アーミーナイフのような多用途性を持つという点では、他のどのクラスよりも理にかなっている。
ハッチバックはほとんどのニーズに対して十分な広さと実用性がありながら、道路を占有することのないコンパクトなボディサイズを特徴とする。また、運転がしやすく、経済的で、装備が充実していて、価格も手ごろだ。改めて考えてみると、これほど魅力的なクルマはないだろう。
歴史的にハッチバックが市場を支配してきた欧州では、いまや少なくない数のモデルが廃止の危機にひんしているものの、8代目、9代目、10代目と非常に長寿なモデルが多いこともまだ事実。また、近年のEVの普及によって、ハッチバックが再び日の目を見ていることは確かだ。
大柄なSUVが話題をさらう一方で、コンパクトハッチはどちらかというと地味な存在ではあるが、人々の生活を淡々と支え続けており、今後も欠かせないクラスであることは間違いない。
電動化により、選択肢はかつてないほど広がっている。センシティブなもの、スポーティなもの、質素なもの、上品なものなど、どんなニーズや好みにも応えられる。今回は、欧州で販売されているハッチバックの中から特に素晴らしいモデルを10台ピックアップして紹介したい。
比較的控えめなサイズであること、そして汎用性の高いハッチバック・テールゲートを備えた5ドア車であることを条件とした。
1. フォルクスワーゲン・ゴルフ
半世紀もの間、フォルクスワーゲン・ゴルフは欧州ファミリーカーの代表格として君臨し、現行の8代目ではハッチバックのヒエラルキーの頂点に立っている。2020年に発表された「ゴルフ8」は、すでに優秀だった7代目をさらにアップデートしたものである。今ではすっかりおなじみとなったMQBプラットフォームを採用し、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのラインナップは従来とほぼ同じだが、48Vマイルドハイブリッドも新たに追加された。
いずれにせよ、これらの細かい調整の結果、非常に印象的なクルマに仕上がっている。乗り心地、ハンドリング、パフォーマンスなど、すべての面でバランスの取れたゴルフは、このクラスで最も完成度の高い、大人なクルマといえるだろう。とはいえ、サスペンションがやや硬めなので、トーションビーム式のモデルは避けたほうがいいかもしれない。マルチリンク式の方が柔軟で、より洗練されているように感じられる。
室内空間も改善され、ハイテク化されたインフォテインメント・システムは多くの人を魅了するだろうが、タッチスクリーンの操作はあまり直感的なものではない。さらに、以前のゴルフで慣れ親しんだ素材の上質さがなく、トリムの一部には安っぽさが目立つ。また、照明のないタッチセンサー式エアコン温度調節器については、あまり言及しないほうがよいだろう。
最新のゴルフGTIは、ホットハッチとしての実力を確立しているが、これまで以上にシャープなセットアップにより、先代の特徴であった日常的な使いやすさが失われ、「クラス最高」とは言えなくなっている。決して過去最悪のGTIというわけではないが、目指すべきものが少しずれているようだ。
PHEVのゴルフGTEは、かつてないほど本格的な電動車となっているし、最上位モデルのゴルフRも、高価ではあるが、その速さとテクノロジーに目を引かれる。ゴルフは、ハッチバックに求められるほぼすべての要素をカバーし続けているのだ。
画像 運動性能を追求する最上級のホットハッチ【シビック・タイプRやGRカローラ、ゴルフRなどを写真でじっくり見る】 全83枚