フィアット待望のミニバン「ドブロ」日本上陸 ラインナップで最も家族に近いクルマ

公開 : 2023.05.11 16:40

フィアット・ドブロが日本で発表され、発売開始しました。ボディサイズやシート配列、価格をお伝えします。

2種類のホイールベース 使い勝手で選べる5名と7名乗車

フィアットのミニバン(MPV)、ドブロが日本デビューを果たし、販売が開始された。

いくつかあるブランドパーソナリティの中に「ファミリーフレンドリー」という言葉を含んでいるフィアットにとってドブロは待望の1台といえる。

フィアット・ドブロ
フィアット・ドブロ

当のフィアットはドブロに「ジブン時間を、楽しみこなそう」というキャッチコピーをつけている。

サイドウインドウの角が大きく取られた特徴的なボディ側面のスタイリングによって気づいた方がいるかもしれないが、ドブロは既に日本に導入されているプジョー・リフター、シトロエンベルランゴの兄弟車となる。

ドブロのバリエーションは標準的なホイールベースで5人乗りのドブロと、ロングホイールベース+3列目シートで7人乗りとなるドブロ・マキシの2種類となる。

フィアット・ドブロの全長は4405mmなのでミニバンのど真ん中。日本の路上で使う場合に最適なサイズといえる。だがそれ故にライバル車も少なくないのが実状だ。

輸入車ではもちろんルノーカングーが最強にして最大のライバルとなる。それ以外にもトヨタシエンタホンダヴェゼルのようなお洒落度が増している国産車を競合モデルとして挙げる人も多くいそうだ。

では都内で行われた発表会で目にすることができた実車をもとに、フィアット・ドブロならではの魅力を探っていきたい。

商用車っぽさを個性に 収納も盛りだくさん

ドブロのスタイリングはひと目でフィアットとわかるもの。

その理由はフロントマスクの下半分を占める黒っぽい無塗装のバンパーだろう。つまり商用車っぽい見た目ということになるのだが、シトロエンやプジョーと比べて「働くクルマ」感が強いのはイタリアを代表するベーシックカー・ブランドであるフィアットらしさを感じさせてくれるもの。

フィアット・ドブロの内装。「フィアットらしいお洒落さと機能性を重視した形状で纏められている」と筆者
フィアット・ドブロの内装。「フィアットらしいお洒落さと機能性を重視した形状で纏められている」と筆者

また前後バンパーが黒っぽいだけでなく、前後ドアに付くサイドガードも無塗装、専用の16インチ・ホイールもブラック仕上げなので、例えジェラートホワイトのボディでも独特の個性が感じられる外観となっている。

黒で統一されている室内もフィアットらしいお洒落さと機能性を重視した形状で纏められている。丸みを帯びたダッシュパネルの中央には8インチのタッチスクリーンが直立しており、その直下に据えられたダイヤル形状のシフターと相まって使い勝手は良さそう。

だがそれ以上にフィアットらしさ、ドブロらしさを象徴しているのは収納スペースの多さで、メーターナセル上部や助手席前方のダッシュ上部、ドアインナーやルーフ前方も物入れになっている。

またわりと大きめに見えるセンターコンソールもたっぷりとモノが入る収納スペースになっており、スッキリとした見ためのまま普段使い出来そうだ。

フィアットらしく実用が徹底されたドブロ。ミニバンならではの包容力を活かせば、普段使いから週末のアウトドア遊びまで広範囲にカバーしてくれるに違いない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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