マツダCX-60の気になるパワートレイン 直6ディーゼル車、直4 PHEV 推すならどっち?
公開 : 2023.05.16 08:45
マツダCX-60には、4種のパワートレインがあります。直6ディーゼル、PHEV、ガソリン、マイルドハイブリッド。この中から2台を乗り比べました。
もくじ
ーCX-60を象徴する直6 最上位のPHEV
ーPHEVの見所は、3要件のバランス
ーたんに出力を抑えたディーゼル?
ー重量差 250kgもあるけれど
ー見極めは「走りの質」「扱いやすさ」
ーマツダCX-60 スペック
CX-60を象徴する直6 最上位のPHEV
それが何時になるかは分からないが、「いずれは電気自動車」は間違いないだろう。
電力インフラ整備等々の諸問題が手付かずでもあり、何時になるかは不明だが、パワートレインへの電動技術導入は進むばかりだ。
電動化では少々出遅れていた感の強いマツダだが、新開発の縦置(FR系)プラットフォームの導入とともに、電動化を一気に進めるべく「PHEV」を導入した。
一方、マツダのエコといえば忘れてならないのがディーゼル。
MX-30とロードスター、OEモデルを除く全モデルにディーゼル車をラインナップし、CX-60も例外ではなく、しかも新開発にして既存ラインナップの上位設定となる「直6」である。
2.2L 4気筒の気筒数と排気量を1.5倍にしたような構成だが、直6を展開できるのは縦置プラットフォームの強味であり、CX-60を象徴するパワートレインだ。なお、ディーゼルには“マイルドハイブリッド仕様”と“標準型”が設定されている。
今回は「シリーズ最上位パワートレインでもあるPHEV」と、直6ディーゼルの実力を直に味わえる「標準ディーゼル車」のツーリング試乗で実力や特性を試してみた。
PHEVの見所は、3要件のバランス
「PHEV」は、NA仕様の直4 2.5Lとトルコンレス8速ATをベースとし、最高出力129kW=175psの駆動(回生)用モーターをエンジンとミッションの間に配置したパラレル式を採用する。
駆動用バッテリーは17.8kWh。満充電でのEVモードでの航続距離は75kmであり、買い物等の短距離用途には十分である。
EVモード時のドライバビリティは穏やか。
2tを超える車重に129kW(175ps)とはいえ、変速ギア比を考えれば相当な瞬発力を示してもおかしくはないが、そうしないのは扱いやすさを重視した結果だろう。
しかも、深く踏み込めばEVモードでもパラレル制御に移行し、車重をものともしないパワフルな加速力を発揮する。
“ドライバビリティ、動力性能、自然なドライブフィールの三点を高水準でバランス”がこのパワートレインの見所であり、とくにノーマル(ハイブリッド)モードでの制御がCX-60のキャラにも似合い。
比較的早い時期からエンジン稼働あるいはエンジン出力を高め、巡航時から加速への応答がよく、滑らかで力強い。
加速の盛り上がりとか伸びやかさが適度な昂揚感も生み出し、電動化によるエコ性能の向上以上に“パワー面やファントゥドライブでの最上位モデル”の印象が濃い。