アルピーヌとロータス EVスポーツカー共同開発を断念 A110後継、独自開発へ

公開 : 2023.05.23 18:05

アルピーヌとロータスは、新型EVスポーツカーを共同開発するパートナーシップの解消を発表しました。A110とエリーゼの実質的な後継車と考えられていましたが、今後は独自で開発を進めることになります。

パートナーシップ解消 「友好的な決定」

アルピーヌロータスは、新型EVスポーツカーの開発に関するパートナーシップを解消した。両社は2021年1月に覚書を交わし、新型車の「実現可能性」を調査することに合意していた。

この新型EVスポーツカーは、アルピーヌA110の実質的な後継車と考えられてきた。

共同開発のEVスポーツカーは、A110の後継車と考えられていた。(画像は予想レンダリングCG)
共同開発のEVスポーツカーは、A110の後継車と考えられていた。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

2023年5月22日に発表された声明の中で、アルピーヌは「ロータスとアルピーヌは、2年以上にわたって将来のEVスポーツカーのビジョンについて協力しており、両社の間に強い関係が築かれました」と述べている。

「MoU(了解覚書)に基づく協力と同様に、その結果は保証されていません」

「わたし達は、アルピーヌのスポーツカーを共同開発を断念することにしました。これは友好的に成立した相互の決定であり、わたし達は他の将来の機会について話し合いを続けていきます」

MoUのもと、新型EVスポーツカーは、アルピーヌA110の後継車およびロータス・エリーゼの精神的後継車とされる「タイプ135(社内コードネーム)」としてシャシーを共有する計画であった。

バッテリーセルをドライバーの後ろに垂直に積み重ねる構造も検討されていた。これにより、従来のスケートボード型のEVプラットフォームよりも低い位置にシートを配置できるとともに、ミドエンジンのスポーツカーのように重量物をシャシーの中心に置くことができる。

アルピーヌのローラン・ロッシCEOは、以前AUTOCARに次のように語っていた。

「ロータスとアルピーヌは、軽量で俊敏なスポーツカーを目指しながらも、明らかに重量を増やし、電動化するという同じ課題に直面しています」

「そのため、少なくとも上流では、そうした課題を一緒に考えるのは普通のことです。提携するかどうかはこれからですが、明らかにわたし達は同じ問題と同じ機会を共有しています」

アルピーヌは、2027~2028年に発売予定の新型SUVについて、ロータスのプラットフォームの採用を検討中とされているが、今回のEVスポーツカーに関するパートナーシップの解消がどのような影響を与えるかはまだわからない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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