高い実用性と走行性能を持つパフォーマンスSUV 10選 物理法則を破った万能なクルマ
公開 : 2023.06.10 18:05
圧倒的なパフォーマンス、優れた動力性能、実用的なボディを備えたパフォーマンスSUV。好みが分かれる存在かもしれませんが、いろいろな意味でとても現代的なクルマと言えるでしょう。英国編集部がベスト10を選出します。
もくじ
ー走りも使い勝手も両立 贅沢な高性能SUV
ー1. ポルシェ・マカンGTS
ー2. ジャガーFペイスSVR
ー3. アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ
ー4. レンジローバー・スポーツP530
ー5. ポルシェ・カイエン・ターボ
ー6. アウディSQ7
ー7. メルセデスAMG GLC 63 S 4マチック+クーペ
ー8. BMW X3 Mコンペティション / X4 Mコンペティション
ー9. マセラティ・グレカーレ・トロフェオ
ー10. ランドローバー・ディフェンダー90 V8
走りも使い勝手も両立 贅沢な高性能SUV
たとえ矛盾した存在であろうと、異端であろうと、ハイパフォーマンスSUVが議論を巻き起こす力を持っていることは否定できない。背の高いSUVボディは本来、スポーティな走りには向かないはずなのに、多くの人がショールームに駆け込み、驚くべき速さで飛び出してくるのである。
高い走行性能と実用性を兼ね備え、人々の生活に溶け込むことができるという点は、ある意味、一番の魅力なのかもしれない。さらに、車重が重く、重心が高いにもかかわらず、想像以上に安定していて、正確で、堂々とした走りを見せるため、「妥協」や「ギブ・アンド・テイク」といった言葉は当てはまらないかもしれない。
また、ハイパフォーマンスSUVには、高級感あるインテリア、開放的な視界、四輪駆動の安心感など、SUVならではの特典も揃う。そして、オフロード走行をファッショナブルに楽しめる現代的なモデルもある。要するに、あらゆる要素を網羅したクルマなのだ。
今回は、さまざまなハイパフォーマンスSUVが販売されている欧州市場から、トップ10を選出して紹介する。オプションによって変動はあるが、価格の上限は10万ポンド(約1700万円)前後とした。ランボルギーニ・ウルスなど、もっとエキゾチックで希少性の高い「スーパーSUV」については、また別の機会に紹介したい。
なお、本稿に記載のスペックなどは英国仕様に準ずる。あらかじめご了承いただきたい。
1. ポルシェ・マカンGTS
スポーツカーをこよなく愛する人たちから、恨めしいほどの尊敬を集めるSUVがあるとすれば、それはマカンだろう。ポルシェのエントリーモデルとして、誕生から10年が経過しようとしているにもかかわらず(基本的には2008年登場のアウディQ5がベース)、加速性能、室内の広さ、優雅なダイナミクスを融合させ、競争の激しいSUV市場において1つの基準となっている。昨今のトレンドに否定的な人でさえも、乗れば納得してしまうほどだ。
次期型のEVを視野に入れながら、ポルシェは現行マカンのラインナップを一新し、フェイスリフトを実施した。フラッグシップのターボは姿を消したが、実質的にそれに代わるGTSは、同じ最高出力445psの2.9L V6ターボを搭載し、性能面でのロスはない。0-100km/h加速はわずか4.5秒、最高速度は275km/h)。
さらに、サスペンションはわずかにローダウンされ、改良が施された結果、まるで小さなホットハッチに乗っていると錯覚させるような、軽快なドライビング・エクスペリエンスを作り出している。ステアリングもまた、ポルシェのスポーツカーらしい重みとレスポンスを示し、高価なチューニングを施したダンパーは、ボディコントロールこそ硬めだが、乗り心地はクッションのようにしなやかだ。
また、標準装備のエアサスペンションと、豪華なインテリアを備えたマカンGTSは、高級セダンのようにリラックスして長旅を楽しむことができる。今回取り上げた他車ほど広くはないが、それでも十分なスペースが確保されているので、不満はほとんど出ないだろう。もし、SUVを1台だけ所有できるとしたら、このクルマを選びたい。
画像 性能も実用性も両立したい欧州パフォーマンスSUV【マカンGTS、FペイスSVR、ステルヴィオ・クアドリフォリオを写真で見る】 全88枚