高い実用性と走行性能を持つパフォーマンスSUV 10選 物理法則を破った万能なクルマ

公開 : 2023.06.10 18:05

圧倒的なパフォーマンス、優れた動力性能、実用的なボディを備えたパフォーマンスSUV。好みが分かれる存在かもしれませんが、いろいろな意味でとても現代的なクルマと言えるでしょう。英国編集部がベスト10を選出します。

走りも使い勝手も両立 贅沢な高性能SUV

たとえ矛盾した存在であろうと、異端であろうと、ハイパフォーマンスSUVが議論を巻き起こす力を持っていることは否定できない。背の高いSUVボディは本来、スポーティな走りには向かないはずなのに、多くの人がショールームに駆け込み、驚くべき速さで飛び出してくるのである。

高い走行性能と実用性を兼ね備え、人々の生活に溶け込むことができるという点は、ある意味、一番の魅力なのかもしれない。さらに、車重が重く、重心が高いにもかかわらず、想像以上に安定していて、正確で、堂々とした走りを見せるため、「妥協」や「ギブ・アンド・テイク」といった言葉は当てはまらないかもしれない。

欧州で販売される高性能SUVからトップ10を選出して紹介する。
欧州で販売される高性能SUVからトップ10を選出して紹介する。

また、ハイパフォーマンスSUVには、高級感あるインテリア、開放的な視界、四輪駆動の安心感など、SUVならではの特典も揃う。そして、オフロード走行をファッショナブルに楽しめる現代的なモデルもある。要するに、あらゆる要素を網羅したクルマなのだ。

今回は、さまざまなハイパフォーマンスSUVが販売されている欧州市場から、トップ10を選出して紹介する。オプションによって変動はあるが、価格の上限は10万ポンド(約1700万円)前後とした。ランボルギーニウルスなど、もっとエキゾチックで希少性の高い「スーパーSUV」については、また別の機会に紹介したい。

なお、本稿に記載のスペックなどは英国仕様に準ずる。あらかじめご了承いただきたい。

1. ポルシェ・マカンGTS

スポーツカーをこよなく愛する人たちから、恨めしいほどの尊敬を集めるSUVがあるとすれば、それはマカンだろう。ポルシェのエントリーモデルとして、誕生から10年が経過しようとしているにもかかわらず(基本的には2008年登場のアウディQ5がベース)、加速性能、室内の広さ、優雅なダイナミクスを融合させ、競争の激しいSUV市場において1つの基準となっている。昨今のトレンドに否定的な人でさえも、乗れば納得してしまうほどだ。

次期型のEVを視野に入れながら、ポルシェは現行マカンのラインナップを一新し、フェイスリフトを実施した。フラッグシップのターボは姿を消したが、実質的にそれに代わるGTSは、同じ最高出力445psの2.9L V6ターボを搭載し、性能面でのロスはない。0-100km/h加速はわずか4.5秒、最高速度は275km/h)。

1. ポルシェ・マカンGTS
1. ポルシェ・マカンGTS

さらに、サスペンションはわずかにローダウンされ、改良が施された結果、まるで小さなホットハッチに乗っていると錯覚させるような、軽快なドライビング・エクスペリエンスを作り出している。ステアリングもまた、ポルシェのスポーツカーらしい重みとレスポンスを示し、高価なチューニングを施したダンパーは、ボディコントロールこそ硬めだが、乗り心地はクッションのようにしなやかだ。

また、標準装備のエアサスペンションと、豪華なインテリアを備えたマカンGTSは、高級セダンのようにリラックスして長旅を楽しむことができる。今回取り上げた他車ほど広くはないが、それでも十分なスペースが確保されているので、不満はほとんど出ないだろう。もし、SUVを1台だけ所有できるとしたら、このクルマを選びたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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