トヨタのトップ10独占、日産が阻止 2023年5月の登録車・新車販売ランキングを解説

公開 : 2023.06.07 07:10  更新 : 2023.11.08 01:10

5月の登録車販売ランキングです。ついに、上位10車種のうち、9車種がトヨタ車に。トップ10独占を食い止めたモデルは?

それにしても強いトヨタ その理由は?

2023年5月の登録車の車名別ランキングが発表された(自販連調べ)。

前年同月比2.5%増(1万2714台)を達成したトヨタ・ヤリスが、5か月連続での首位を獲得する。

5月に第2世代「e-POWER」車を投入した日産セレナが、トヨタのトップ10独占を食い止め、ノア/ヴォクシーを追いかける。4月はノート&セレナの2モデルで、トヨタばかりのトップ10に割って入ったばかりだ。
5月に第2世代「e-POWER」車を投入した日産セレナが、トヨタのトップ10独占を食い止め、ノア/ヴォクシーを追いかける。4月はノート&セレナの2モデルで、トヨタばかりのトップ10に割って入ったばかりだ。    日産

続く第2位には、1月にシリーズパラレルハイブリッド車、3月にプラグインハイブリッド車の販売を開始して、同376.2%増(9233台)を成し遂げ2ランクアップを果たしたトヨタ・プリウスが位置。

第3位には同113.7%増(9109台)を記録したトヨタ・シエンタが前月と同位で、第4位には同6.9%減(8771台)となったトヨタ・カローラが2ランクダウンで入った。

以降はトヨタ・ノア、トヨタ・ヴォクシーと続く。

そして第7位には、4月よりe-POWER車の販売をスタートした日産セレナが、同158.2%増(6655台)を達成してランクインする。

最終的に、トップ10のうちの9台がトヨタ車で、日産車が1台のみという構図に。

生産調整の期間を短くして“受注残の解消”に努めたトヨタの戦略が成果を上げる結果となった。

2023年5月 乗用車ブランド通称名別順位

1位 トヨタ・ヤリス:1万2714台
2位 トヨタ・プリウス:9233台
3位 トヨタ・シエンタ:9109台
4位 トヨタ・カローラ:8771台
5位 トヨタ・ノア:7077台
6位 トヨタ・ヴォクシー:6913台
7位 日産セレナ:6655台
8位 トヨタ・ルーミー:6405台
9位 トヨタ・アクア:6292台
10位 トヨタ・ハリアー:6193台

ZR-Vスズキの2台、上位進出を狙えるか

トップ10以降では前月と同様、SUVおよびクロスオーバーモデルの好調ぶりが際立った。

300系の受注は停止しているもののプラドの販売が好調なランドクルーザー・ワゴンが、同37.8%増(3885台)を記録して第14位に。

ホンダが発表している工場出荷時期目処によれば、ZR-Vはガソリン/e:HEVともに「半年以上 一部タイプ・カラーがお選びいただけない場合がございます」となっている(6月5日時点)。
ホンダが発表している工場出荷時期目処によれば、ZR-Vはガソリン/e:HEVともに「半年以上 一部タイプ・カラーがお選びいただけない場合がございます」となっている(6月5日時点)。    宮澤佳久

クロスオーバーを設定したトヨタ・クラウンが、同298.1%増の3125台を販売して第16位に。

3月に一部改良を図ったレクサスNX350hが、同281.5%増(2125台)を達成して第19位に。

4月に受注を再開した日産エクストレイルが、同386.6%増の2068台を販売して第21位に入る。

また、4月より販売を始めたホンダの新型SUVのZR-Vが、1567台を記録して第28位にランクインした。

スズキの登録車の健闘ぶりも注目。

5月25日より一部改良モデルの販売を開始したスズキ・ソリオは、同47.5%増(3292台)を達成して第15位に。

生産増強を図ったスズキ・ジムニー・シエラは、同92.4%増(2097台)を記録して第20位に入った。

なお、登録車と軽自動車を合わせた5月の車名別ランキングのトップ5は、ホンダNボックスが9か月連続での首位に立ち、以降はトヨタ・ヤリス、ダイハツタント、トヨタ・プリウス、トヨタ・シエンタの順で続く。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大貫直次郎

    Naojiro Onuki

    1966年型。早稲田大学卒業後、自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、フリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)などのほか、レストア待ちの不動バイク数台。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』シリーズなど。

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