アルファ・ロメオ33ストラダーレ 空力と美を追求した限定生産車 3.0L V6に同社初のBEVも設定

公開 : 2023.08.31 06:05  更新 : 2023.08.31 20:54

2007年の8Cコンペティツィオーネ以来のスーパーカーとなるアルファ・ロメオ33ストラダーレが発表。33台限定生産で、最高出力620psの3.0L V6モデルと750psのバッテリーEVが用意されています。

33台限定 「8C」以来のスーパーカー

アルファ・ロメオは、限定生産の新型スーパーカー「33ストラダーレ」を発表した。1960年代の同名のレーシングカーに着想を得たモデルで、パワートレインにはV6エンジンとEVの2種類が用意される。

アルファ・ロメオとしては8Cコンペティツィオーネ以来となるスーパーカーで、同社の伝統に敬意を払いつつ、ブランドの魅力を最大限に表現するためにデザインされた「フォリセリエ」(特注車)となる。

アルファ・ロメオ33ストラダーレ
アルファ・ロメオ33ストラダーレ    アルファ・ロメオ

33ストラダーレという車名にちなんで33台のみ生産される予定で、いずれも「クルマの歴史と象徴性」を尊重する特別な顧客に割り当てられる。2022年のF1モンツァGPで顧客候補に初めてデザインスケッチが公開されてから数週間で完売したという。

価格は300万ユーロ(約4億7500万円)からとされ、アルファ・ロメオで最も高価なモデルとなった。購入希望者は、最高出力750psのバッテリーEVモデルか、最高出力620psの3.0L V6ツインターボをミドマウントした内燃エンジンモデルから選ぶことができる。

アルファ初のEV 改良型V6エンジンも導入

バッテリーEVパワートレインはアルファ・ロメオの市販モデルとして初めて採用されるもので、欧州WLTPサイクルで450kmの航続距離を達成するという。バッテリー容量についてはまだ確認されていない。

33ストラダーレは、兄弟ブランドであるマセラティの新型グラントゥーリズモ・フォルゴーレと同じ、3モーター四輪駆動システムを採用している。V6が用意される点もグラントゥーリズモと同じである。

アルファ・ロメオ33ストラダーレ
アルファ・ロメオ33ストラダーレ    アルファ・ロメオ

V6は、ジュリアおよびステルヴィオのクアドリフォリオ仕様に搭載される2.9L V6の改良型だが、ボアアップされて3.0Lとなり、出力も100psアップした。駆動方式は後輪駆動で、ZF製8速ATを採用。MTの設定はない。

アルファ・ロメオは、0-100km/h加速3秒以下、最高速度333km/hを謳う。

走行モードは「ストラーダ」と「ピスタ」が設定される。ストラーダを選ぶとスロットルレスポンスが鈍くなり、サスペンション(前後ダブルウィッシュボーン)が柔らかくなり、V6モデルでは5000rpmまで排気バルブが開かないなど、快適性重視のモードとなる。一方、ピスタではスロットルレスポンスが鋭くなり、サスペンションが硬くなり、排気バルブが常に開いた状態になる。

公道でもサーキットでも、アルファ・ロメオが自社開発した「セミバーチャル」と表現される四輪ステアリングシステムが操縦性を助ける。同社によれば、精度を高め、荒れた路面をフィルタリングして乗員に快適な乗り心地を提供するという。

ブレーキとしては、フロントに6ピストン、リアに4ポットのブレンボのカーボンセラミック製ベンチレーテッドを装備する。

重量を抑えるため、33ストラダーレのモノコックシャシーはカーボンファイバー製、ボディフレームはアルミニウム製となっている。ウィンドウフレームもカーボンファイバー製で、バタフライドアには軽量ドアヒンジが使われている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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