パワーアップして帰ってきた プジョー208 改良でやや値下げも 48Vハイブリッド初導入

公開 : 2023.10.24 06:25

・改良を受けたプジョー208、英国価格は2万400ポンド(約370万円)から。
・以前より若干値下がり。EVのe-208も2445ポンド(約45万円)ほど安く設定。
・48V MHEV初導入、デザインも一新。人気ハッチバックの再出発。

欧州ベストセラー車 大幅改良

フランスの自動車メーカーであるプジョーは、マイナーチェンジ後の新型208の英国価格を2万400ポンド(約370万円)とすることを明らかにした。以前より若干の値下げとなった。

プジョー208は欧州Bセグメントの小型ハッチバックで、現行型は2019年に発表された。今年7月に大幅な改良が施され、ハイブリッド・パワートレインを初めて導入したほか内外装にも手が加えられた。

改良新型プジョーe-208
改良新型プジョーe-208    プジョー

48Vマイルドハイブリッド付きの1.2Lガソリンエンジンを搭載し、最高出力100psまたは136psのいずれかを選択できる。トランスミッションは6速AT。電動化により低回転域でのトルクが増し、燃費は15%向上したという。プジョーは、市街地では走行時間の50%以上を電気だけで走行できるとしている。

非ハイブリッド車として最高出力75psまたは100psのガソリンエンジンもラインナップに残り、それぞれ5速MTと6速MTが用意されている。しかし、ディーゼルエンジンは廃止された。

EVのe-208には最高出力156psの新しい電気モーターと51kWhの大型バッテリーが導入され、1回の充電での航続距離は300kmに伸びた。20~80%の充電にかかる時間は、100kWで25分未満とされる。

エクステリアとしては、デイタイムランニングライトを従来の片側1本から3本に増やし、よりワイドなフロントグリルが採用された。テールライトも3本の赤い「ツメ」に変更された。

インテリアでは、これまで上級グレードにのみ装備されていた10.0インチのタッチスクリーンが標準装備となったが、高解像度パネルは「アリュール」と「GT」に限られる。小径のステアリングホイールを中心とするiコックピットのダッシュボードデザインは変わらない。

欧州の安全規制「GSR2」への適合を確実にするためか、アダプティブ・クルーズコントロール、道路標識認識、車線維持支援など、運転支援システムの強化が行われている。360度カメラもオプションで用意される。

英国では、これまでと同様に「アクティブ」、「アリュール」、「GT」の3種類のグレードが設定されている。エントリーグレードのアクティブでは、アナログメーターを装備する。

価格としては、最廉価の1.2ピュアテック・アクティブが2万400ポンド(約370万円)と、マイナーチェンジ前の2万610ポンド(約375万円)に比べて若干安くなった。EVのe-208も3万2400ポンド(約590万円)からと、以前より2445ポンド(約45万円)値下がりしている。

2022年、プジョー208は15年ぶりにフォルクスワーゲン・ゴルフを退け、欧州で最も売れたベストセラー車となった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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