マツダ・サバンナRX-7(初代)を借りてみた 滑らかなロータリーエンジン 想像以上に可愛いFB型
公開 : 2024.01.02 19:05
ロータリー・スポーツ復活の可能性を模索するマツダ 特にパワフルではなかった初期の2ローター エンジンとMTの滑らかさに驚く 英国編集部が再試乗
ロータリー・スポーツの復活を模索するマツダ
以前からマツダは、ロータリーエンジンを搭載したスポーツカーの復活を模索してきた。本当に実現するのか疑問は残るものの、そのオリジナルを振り返り、魅力を再確認するのにはちょうど良い機会だろう。
1番新しいモデル、マツダRX-8をお借りすることもできたが、折角だから初期のモデルが望ましい。純粋なロータリーエンジンを味わってみたい。そこで選ばれたのが、初代(FB型)のRX-7。後期型でアップデートを受けているが、本質的に大きな違いはない。
パワートレインの状態は良好。ボディも、当時のままの姿が残されている。塗装は僅かに補修を受けているものの、ピンと真っすぐ張りがある。
実物を目の当たりにすると、想像以上に可愛い。1983年式のスポーツカーとしては、さほど小さくない。このサイズのスポーツカーは北米では珍しく、好調に売れたという。
全長は4285mm、全幅が1675mm、全高が1260mmで、トヨタGT86と比べるとひと回り大きい。英国仕様は2+2だが、リアシートはかなり狭い。アメリカでは、2シーターとして売られていた。
ベロア素材で包まれたシートへ腰を下ろし、カーペットが敷かれたフロアへ足を置く。全体的な配色や品質が、製造年を想起させる。
特にパワフルではなかった初期の2ローター
助手席が近い位置にあり、フロントピラーは細く、サイドウインドウは顔のすぐ横。いつも以上に事故は避けたいところ。前方視界は広く、リアハッチはガラス製で大きく、後方視界も広い。ヘッドレストが僅かにかかるが、バックミラー越しでも良く見える。
ドライビングポジションも好ましい。座面の位置は少し高めで、ステアリングコラムの角度は調整できないものの、ペダルには適度な間隔がある。ステアリングホイールの大きさも丁度良い。とはいえ、クラシックカーだという印象から逃れることはできない。
ボンネットを開くと、小さな2ローター・ユニットが姿を表す。前後重量配分を50:50にするため、マツダの技術者はフロントアクスルの後方へエンジンを載せた。
燃料の供給方法は、燃料噴射ではなくキャブレター。1ローター当たり573ccの容量があり、合計で1146ccになる。しかし、ピストンエンジンが2回転で1つの燃焼工程を済ませるのに対し、ロータリーは1回転で完了するため、倍の2292ccと計算される。
英国仕様の最高出力は106ps、最大トルクは14.5kg-mで、当時としても特にパワフルなわけではなかった。しかし、車重が1024kgと軽いこともあり、不足したわけでもなかった。今でも活発に走る。
当時のAUTOCARは動力性能をテストし、193km/hの最高速度を確認。0-97km/h加速8.9秒という、まずまずの結果を残している。
画像 想像以上に可愛いFB型 マツダ・サバンナRX-7 コスモとRX-8 MX-30 R-EVに最新アイコニックSPも 全102枚