【合併せずにコラボレーションを強化】ルノー・日産・三菱 新しいアライアンス契約に合意
公開 : 2020.01.31 04:06 更新 : 2020.01.31 04:08
ルノー、日産、三菱が、アライアンスの強化ため、新しい枠組みに合意しました。それぞれ独立した企業であり続けながら、新しい技術の開発や、欧州における平均CO2排出量の目標達成に向け協力していく、という内容になっています。
コラボレーションの強化
ルノー、日産、三菱は、アライアンスを強化することを目的とした新しい枠組みに合意した。
各社が主要分野やエリアでリーダーとなる、ヨーロッパにおける平均CO2排出量を1つの「プール」にまとめる、などの内容が含まれる。
3社をリードし、アライアンスの原動力となっていたカルロス・ゴーンが、日本で金融不正の容疑で逮捕されて以来、3社の関係は緊張状態にある。
ゴーンは、ルノーと日産の完全合併を計画していたと伝えられている。
日産のキーパーソンが、ルノーから分離するため密かに計画を進めていると報じられたが、ゴーンを追放して以来、3社は関係強化に取り組んでいる。
そして今回、横浜でのアライアンス・オペレーティング・ボードで、新しい枠組みが合意、承認された。
アライアンスの議長を務めるジャン・ドミニク・スナールは記者団に対し、合併しなくてもコラボレーションと効率を向上させることができると語った。
スナールは「ほかに選択肢はなかった。アライアンスの効率を高めることが最優先だ」と述べている。
新しいアライアンス契約の詳細
新しい契約には、3社間の協力を促進するための多くのイニシアチブが含まれると同時に、3社がそれぞれ独立した企業であり続けることが保証されている。
中国の日産、ヨーロッパのルノー、東南アジアの三菱というように、各ブランドはそれぞれ特定の地域をリードする「レファレンス・カンパニー」となる。
将来のプラットフォーム、パワートレイン、およびテクノロジーの開発に「リーダー/フォロワー」モデルを採用し、各社が主要分野でリーダーとなる。
日産がEV技術を、三菱がプラグインハイブリッド・システムをリードするなど、アライアンスが以前から採用していた連携体制を、継続するかたちとなりそうだ。
また、3社はEUのCO2排出量の目標を達成するため、ヨーロッパで販売する車両を1つの「プール」にまとめることに合意した。
これにより、平均CO2排出量およびペナルティを計算する際、1つの会社として扱われる。
2018年のEUデータによると、ルノーの平均CO2排出量は112g/km、日産は115g/kmだった。
新しい契約には、ルノーがトラフィックをベースにした三菱ブランドの、オセアニア向けのバンを製造することも含まれている。