静かなだけがコンフォートじゃない ブリヂストン、レグノ新モデルを発表

公開 : 2024.01.24 17:05  更新 : 2024.01.25 13:04

・「レグノ」最新モデル発表 電動化時代に向け、静粛性能をさらに向上
・ターゲットを広げ、走行性能や持続可能性も開発テーマに
・現役ドライバーも開発に参加 究極めざし、不要な要素をそぎ落とす

ブリヂストンの基盤技術「エンライトン」とは?

2023年12月12日、ブリヂストンは乗用車用プレミアムタイヤ「REGNO GR-X III(レグノ・ジーアール・クロススリー)」を2024年2月から発売すると発表した。発売に先駆けて2024年1月23日、メディアに向けて発表会が行われた。

2023年で中期事業計画を終えたブリヂストンは、2024年に新たな中期事業計画を開始した。その第一弾として発表されたのが、今回の「レグノGR-X III」だ。

ブリヂストンは乗用車用プレミアムタイヤ「REGNO GR-X III」を発表、発売に先駆けてメディア向け発表会が行われた。
ブリヂストンは乗用車用プレミアムタイヤ「REGNO GR-X III」を発表、発売に先駆けてメディア向け発表会が行われた。
    篠原政明

「レグノ」は1981年に最初のモデルである「GR-01」が登場以来、乗り心地や静粛性を重視したプレミアムコンフォートタイヤとしてブリヂストンでは歴代のモデルを手がけてきた。

今回のGR-X IIIでは、ブリヂストンの新たなタイヤ開発基盤技術である「ENLITEN(エンライトン)」を採用して、レグノを新たな次元へ進化させたという。

「エンライトン」とはブリヂストンによる造語だ。ブリヂストンでは、タイヤに求められる性能を、乗り心地/静粛性/ハンドリング性/ウエット性能/低燃費性能/耐摩耗性/軽量/資源循環性の8項目にカテゴライズし、それぞれの項目で最良のものを目指す。

これらの性能を向上させた上で、商品によってより求められる性能をさらに向上させる。いわば、究極のカスタマイズが「エンライトン」なのだ。

では、レグノGR-X IIIでは、どの性能を向上させたのかといえば、まず求められたのがレグノのいちばんのセールスポイントである「静粛性」。次に「ハンドリング性」。そして「資源循環性」「軽量」「低燃費性能」が求められた。

そのため、新構造や新形状の採用、新トップゴムの採用、そして新トレッドパターンの採用などにより、空間品質においては振動入力を低減し音を吸収。

走行性能においては応答性の良いハンドリングやグリップの向上を達成。そしてサステナビリティに置いては低燃費や再生資源・再生可能資源の活用などを達成している。

社内テストではあるが、従来品のGR-X IIと比べて荒れたアスファルト舗装路では12%、スムーズなアスファルト舗装路では8%、ノイズを低減している。また、レーンチェンジ時の収束性も向上し、ウエットブレーキ比率も13%低減している。

変化するニーズ 新たなユーザーの開拓も使命

いま、クルマ社会は大きく変化している。EVや自動運転化など、クルマの進化やボディタイプのトレンド変化で、タイヤに求められる性能も複雑化している。ユーザーも、価値観や求めるニーズなどが今まで以上に多様に変化している。

レグノを求めるユーザーも、今まではラグジュアリーなクルマで快適性を重視した層が中心だった。

「エンライトン」はブリヂストンの造語だ。
「エンライトン」はブリヂストンの造語だ。    篠原政明

だが今後は、クルマでは欧州車などツーリング志向のクルマやバッテリー電気自動車などを、そしてユーザーでは走行性能を重視する層やサステナビリティの意識が強い層へも、レグノを普及させたいと目指している。

それゆえ、エンライトンを適用することで、上質な静粛性が生み出す「空間品質」、質の高い乗り味による「走行性能」、そしてこれからのタイヤに求められる「サステナビリティ」を実現したタイヤを目指した。それがレグノGR-X IIIというわけだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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