アウディRS6 アバント・パフォーマンスへ試乗(1) 「究極的」に増強されたV8ツインターボ

公開 : 2024.02.02 19:05

先進的で洗練されたインテリア

リアアクスルには、アクティブに制御されるアウディ・スポーツのリミテッドスリップ・デフを採用。クラッチを介して左右のタイヤへ自在にトルクを分配し、コーナーでは外側のタイヤを強めに駆動させることもできる。

同時に、ブレーキ制御によるトルクベクタリング機能も組まれる。最新のRS6 パフォーマンスでは、後輪操舵システムとエアサスペンションも標準で装備される。

アウディRS6 アバント・パフォーマンス(英国仕様)
アウディRS6 アバント・パフォーマンス(英国仕様)

コイルスプリングとアダプティブダンパーを前後斜めに連動させた、ダイナミックライド・コントロール(DRC)と呼ばれるスポーツサスペンションはオプション。カーボンセラミック・ブレーキも、追加予算が必要になる。

22インチの鍛造ホイールと、コンチネンタル・スポーツコンタクト7が履かされるのは、フォアシュプルング・グレードのみ。試乗車のように。

インテリアは、11万2285ポンド(約2088万円)の高級車に相応しい、特別な雰囲気が漂う。アウディのインテリアデザイナーは、有能な方ばかりなのだろう。

タッチモニターと本物の金属製トリム、グロスブラックのパネルなどが巧みに組み合わされ、先進的でありながら洗練されている。スポーティに各部が仕立てられ、通常のA6としっかり差別化もされている。

ブラックのアルカンターラ巻きステアリングホイールには、差し色としてレッドのステッチが施される。シフトセレクターも、モータースポーツとのつながりを感じさせる。試乗車にはパノラミック・グラスルーフが装備され、開放的な印象でもあった。

大人2人が長時間、快適に過ごせる後席

後席の空間にもゆとりがあり、前後長は座面の辺りで720mmある。BMW M5より20mm狭いものの、高さ方向は990mmあり、約70mm高い。大人2人が長時間、快適に過ごせる。

荷室容量は565L。リアシートを畳むと1680Lまで拡大できる。床面は開口部と同じ高さにあり、重い荷物の積み降ろしも難しくない。荷物がずれるのを防ぐ、ネットやフックなどが備わる点もうれしい。

アウディRS6 アバント・パフォーマンス(英国仕様)
アウディRS6 アバント・パフォーマンス(英国仕様)

インフォテインメント・システムは、MMIナビゲーション・プラスと呼ばれるもの。メーターパネルは、12.3インチのモニターが収まるバーチャルコックピットだ。

センターモニターは上下2面で構成され、主にエアコン用とカーナビやオーディオ用に分かれている。表示は鮮明で、反応は素早い。だが、触覚フィードバックが備わるのは良いものの、温度調整などの度に目線をそらし、強めに画面へ触れる必要がある。

バーチャルコックピットは表示内容をカスタマイズでき、ドライバー好みの画面に変えられる。試乗車には、6300ポンド(約117万円)のバング&オルフセン社製オーディオが装備されていた。音質は間違いなく、車載システムでは最高の1つだと思う。

この続きは、アウディRS6 アバント・パフォーマンスへ試乗(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

アウディRS6 アバント・パフォーマンスへ試乗の前後関係

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