レクサスLM 詳細データテスト 後席は快適至極 不足気味のパワートレインとシャシー 静粛性に盲点
公開 : 2024.02.24 20:25 更新 : 2024.03.17 10:33
内装 ★★★★★★★★★★
キャビンは一般的な7人乗りと、前席と後席に仕切りのあるショーファースタイルの4人乗りを設定。今回は後者をテストする。安価なのは7人乗りで、快適性重視の2列目シートと、跳ね上げ式の補佐的な3列目シート、4人乗りより広い荷室を備える。
4人乗りの後席は、どこもかしこも特別な移動を体験させてくれるものだ。大きなスライドドアと高い天井は、ロンドンタクシーのように乗り込める。そこには旅客機のようなスタイリングのリクライニングができるラウンジチェアがふたつ。まさに車内の玉座で、ヒーターとベンチレーションはもちろん、7つものプログラムを持つマッサージ機能も備え、フルフラットな姿勢で座ることもできる。
ただし、走行中のフルフラット化は、レクサスとしては安全面の観点から推奨していない。またわれわれとしては、どんな場合でも多少立てたほうが快適に思えた。
いずれにせよ、調整幅は広い。大型でサポート性に優れたヘッドレストやシートバック、クッションに、伸縮式フットレストも備わっている。
後席からの視認性は、大きなサイドウインドウとガラスのスカイライトのおかげで上々。どちらもブラインドは電動だ。たいしてテスター陣が気になったのはパーティション。エレクトロクロマティック技術により、半透明にもできるガラスを使用しているそれの動く感じだ。
中央バルクヘッドの上に設置された48インチスクリーンサイズのマルチメディアディスプレイは、間違いなくLMの呼び物だ。だけどわれわれとしては、キャビンにおいて本当にうれしくなるものの上位ではない。そのほか後席には左右それぞれ、メディア操作やシート調整を行うスマートフォン風のリモコンや、アームレスト内に仕込まれたワイヤレス充電器も設置される。
さらに外側アームレストからは、これまた旅客機の客席のようにライティングテーブルが出てくる。インフォテインメントディスプレイの側にはまずまずのサイズの冷蔵庫もあり、換えの靴やブランケットなどを収めておけるほどの収納部まである。ここだけみたら、まるで豪華なファーストクラスに乗っているようだ。
前席に座るドライバーは、このクルマが重視する顧客ではないのだろう。スペースはタイトだ。快適には座れるが、ドライビングポジションはやや高くバン的。豪華な装飾や目新しいギミックはあまりないが、各部のクオリティや贅沢でリッチなマテリアルは後席と一貫したものだ。