レクサスLM 詳細データテスト 後席は快適至極 不足気味のパワートレインとシャシー 静粛性に盲点

公開 : 2024.02.24 20:25  更新 : 2024.03.17 10:33

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

LMはどこを取っても、VIPな乗員の生活をよりよいものにしてくれそうに思える。しかし、この点でも明らかな限界が見て取れる。

後席に座り、遮音ガラスのパーティションを上げると、ハイブリッドパワートレインの発する音はかすかに聞こえるかどうか。ドライバーに聞かれることのない声量で会話できるほど静かだというテスターもいたほどだ。

快適性は、とくに後席では最新高級車のレベルに達しているが、さまざまな努力を重ねて高さと重さのネガを削った痕跡が感じられる。
快適性は、とくに後席では最新高級車のレベルに達しているが、さまざまな努力を重ねて高さと重さのネガを削った痕跡が感じられる。    JACK HARRISON

走り出すと、低速での乗り心地はしなやか。80km/hくらいまではなめらかに流していけるし、まずまずの静粛性も保たれる。けれども、ふんわりして穏やかなわけではなく、通り過ぎる路面の状況が感じ取れないほど騒音や振動を十分に遮断できているわけでもない。しかし、最新高級車の基準になんとか到達できるような、入念に構築された快適レベルは十分以上に認められる。

その多くに寄与するのがリアシートだ。ふわふわではないのだが身体をしっかりサポートしてくれて、完全にクッションの効いた減衰ができなかったような場合でも、シートからすべり落ちるのを防いでくれる。

前席では、レクサスが放つ興味深い制御であるリアコンフォートモードのインパクトを感じられる。フロントの減衰力をわずかに緩め、車体前部をあたかもモーションダンパーのように使うことで、後席の水平を保とうという機構のようだ。

全体的に見ると、パワーオンでのピッチングに対する緊密な制御やブレーキングは非常によかった。しかし、そこは背が高く重いクルマ。平坦でないカントリーロードでのヘッドトスやキャビンの横方向の動きは、セダンタイプより大きくなる。

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