三菱自の株主総会でファン熱望「ランエボ作って」 国内商品拡充を願う声

公開 : 2024.06.21 06:25

中国製EV「脅威」 鍵となるアセアン

三菱にとって収益向上の鍵となるのは、軸足を置くアセアン市場での成功だ。アセアン向けに開発したモデルは中南米や中東、アフリカでも展開可能だという。近年、アセアンでは中国メーカーが攻勢を強めているが、三菱は「勝機」を見出している。

株主から中国製EVをどう捉えているかという質問が挙がると、加藤社長は「正直なところ、脅威ではある」と認めたうえで、次のように述べた。

三菱ASX
三菱ASX

「しかし、(中国製EVは)値引き幅が大きいため中古車価格が安くなるという懸念や、購入後のアフターサービスに対する不満があり、タイでは伸びが止まった。よく分析していけば、当社にも勝機はある。ネットワークなど強みを活かせば十分対抗できる」

アセアンでは三菱が得意とするピックアップトラックやSUVの販売を強化するとともに、現地に築いた販売サービス網を活用することで中国メーカーに対抗する狙いだ。

新型車を出したいという気持ちはメーカーも強いのだろう。三菱には海外でしっかり稼いだうえで、日本でも良い商品を売り出してもらいたい。日本の新車市場も縮小傾向にあるとはいえ、三菱の新型車を受け入れるだけの “スペース” はまだまだあると思う。

「三菱らしいクルマを」というファンの声には筆者も共感する。三菱のブランドを象徴するようなモデルが、日本にはもっと必要だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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