19インチも選べるスポーツモデル VW「ゴルフGTI」 270馬力のハイブリッドも登場

公開 : 2024.06.24 18:05

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIおよびゴルフGTEの改良新型が欧州で販売開始。右ハンドルの英国では3万8900ポンド(約785万円)から。オプションで19インチの「テレダイヤル型」アルミホイールも選べる。

ゴルフの高性能モデルが大幅改良

改良を受けたゴルフの高性能モデルが欧州で販売開始されている。パワートレインや装備を強化したが、右ハンドルの英国仕様は一部でやや値下げとなった。

ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンは6月20日、高性能ハッチバック「ゴルフGTI」の改良新型の英国向け販売を開始した。価格は3万8900ポンド(約785万円)からで、改良前に比べて1000ポンド(約20万円)安く設定されている。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI    フォルクスワーゲン

また、高性能プラグインハイブリッド(PHEV)の「ゴルフGTE」は3万9750ポンド(約800万円)から、「ゴルフeハイブリッド」は3万6760ポンド(約740万円)からで、英国では6月27日より販売開始される。

なおゴルフGTIは、ドイツでは5月より4万4505ユーロ(約760万円)で販売されている。

フォルクスワーゲン・ゴルフは今年で誕生50周年を迎え、第8世代となる現行型は全モデルで大幅な改良を実施した。今年後半には四輪駆動の最上位モデル「ゴルフR」も登場し、フルラインナップが揃う。

PHEVは272馬力を発生

今回の改良では使い勝手の向上、内装材の改良、内外装の一新など、幅広く変更が加えられている。

ゴルフGTIでは2.0L 4気筒ガソリンターボエンジンが強化され、最高出力は20psアップの265ps/5250~6500rpmとなった。1600rpmの低回転から37.7kg-mのトルクを発生し、7速DSGとの組み合わせで0-100km/h加速5.9秒を実現した。最高速度は電子制御により250km/hに制限される。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI    フォルクスワーゲン

PHEVのゴルフGTEは、1.5Lガソリンターボ(1.5 TSI evo2)と電気モーター、19.7kWhバッテリー、6速DSGを組み合わせ、合計出力272psを発生。電気のみでの航続距離は131km(欧州WLTPサイクル)とされる。

ゴルフeハイブリッドは同様のパワートレインを搭載するが、パワーをやや抑え、合計出力204ps、電気のみでの航続距離は143kmとなる。ガソリンとバッテリーを満タンにした状態でのハイブリッド走行では最長1000kmの航続距離を実現しているという。また、AC充電器で最大11kW(従来は3.6kW)の充電が可能になり、最大50kWのDC急速充電にも対応する。

インテリアの使い勝手改善図る

スタイリングとしては、照明付きのロゴと新形状のフロントバンパー(GTIではハニカムデザイン)が大きな特徴となる。ヘッドライトも変更され、オプションでマトリクスLEDの「IQライト」が用意されている。

ボディカラーとしては新たに4色のメタリックカラーが追加され、全15色となった。GTIとGTEでは初めてブラックルーフが選べるようになった。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI    フォルクスワーゲン

また、GTIではカーボンファイバー製パーツが設定される。17インチのアルミホイールを標準装備するが、19インチの「クイーンズタウン」もオプションとして選択できる。後者は楕円形の半円を5つ備えた、いわゆる “テレフォンダイヤル” 型のデザインで、ゴルフでの設定は第6世代(Mk6)以来となる。

インテリアでは、新しいマルチファンクション・ステアリングホイールを採用。評判の芳しくなかった静電容量式コントロールは廃止され、物理ボタン式となった。また、全体的に素材を変更し、質感向上を図った。

ドライバー正面のインストゥルメント・ディスプレイは、ステアリングホイールのダイヤルで操作可能だ。中央の12.9インチ・タッチスクリーンには、「MIB4」と呼ばれる第4世代のインフォテインメント・システムを搭載する。

処理時間の短縮、メニュー構造の刷新、グラフィック改善のほか、新たに生成AI「ChatGPT」搭載の音声アシスタントが導入された。エアコン、電話、ナビゲーションの制御、インターネットへのアクセスに使用できる。

改良前のゴルフでは車載機能の操作性が課題となっていたが、エアコンの温度設定やオーディオの音量を調節するタッチ・スライダーはバックライト付きとし、夜間の視認性を高めた。また、新しいソフトウェアにより反応速度が向上したという。

その他、駐車支援として360度カメラ、パークアシスト・プラス、パークアシスト・プロがオプションで追加されており、スマートフォンからの遠隔操作も可能になった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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