【車両重量920kg】 第4世代スズキ・スイフト クルマとの対話を楽しむMT仕様のコスパ良し

公開 : 2024.06.27 17:45  更新 : 2024.07.19 14:47

走り込むほどに魅力がわかり楽しくなる

エンジン回転を3000回転以上に保って、クルマをキビキビと走らせれば、さぞや騒々しくて、しかも燃費に悪そうなもの。

ところが、エンジン回転数が5000や6000になっても、エンジンの振動と音の大きさは、それほど大きくならない。逆に「あれ、いつの間にか、こんなに回ってたの?」と思うほどだ。また、街中や高速道路などを走り回った試乗で、メーターの表示する燃費は20km/L以上をキープしていた。

スズキ・スイフト試乗
スズキスイフト試乗

正直、マイルドハイブリッドのモーターアシストは、さっぱり実感できなかったが、見えないところで燃費向上に働いていたのだろう。どんどんエンジンを回しながら走っても、うるさくなく、燃費が悪化しないのは嬉しい驚きであったのだ。

そして、足回りの仕上がりの良さも特筆すべき点だ。ロールもピッチングも少なく、常にフラットな姿勢を保つ。それでいて、鼻先を引きずり回すような強引さもなく、素直に曲がってゆく。

路面のインフォメーションをしっかりドライバーに伝えつつも、悪路での突き上げはマイルドにいなす。MT仕様の場合、車重がわずか920kgしかないのも、足回りの良さに貢献しているのだろう。やはり軽いことは正義だ。

パッと乗った時に最初に感じるのが、クラッチミートの曖昧さであり、エンジンのトルクのなさといったネガティブさだ。

しかし、走り込むほどに、クラッチの扱いやすさ、エンジンとの対話の楽しさ、意のままのハンドリングと乗り心地の良さといったポジティブさが見えてくる。

走るほどに魅力がわかる。それが「スイフト」のMT仕様であった。しかも、価格は192万2800円。これほどコスパよく、運転が楽しめるクルマは他にない。

試乗車のスペック

価格:192万2800円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:3860×1695×1500mm
燃料消費率:25.4km/L(WLTCモード)
駆動方式:FF
車両重量:920kg
パワートレイン:直列3気筒1197cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:82ps/5700rpm
最大トルク:11kg-m/4500rpm
モーター最高出力:3.1ps/1100rpm
モーター最大トルク:6.1kg-m/100rpm
動力用主電池:リチウムイオン電池
ギアボックス:5速MT
タイヤサイズ:185/55R16(フロント)185/55R16(リア)

スズキ・スイフト試乗
スズキ・スイフト試乗

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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