ポルシェ911 詳細データテスト MT+NAの快感 公道志向の足回り 遮音性はやや改善の余地あり

公開 : 2024.07.13 20:25

内装 ★★★★★★★★★☆

軽量ドアを開けると、古き佳き雰囲気と最先端が共存した装備と仕立てに迎えられる。ヘリテージデザイン仕様のインテリアはクラシックコニャックのレザーと同色でリッチな手触りのクロス、ブラックのピンストライプの組み合わせ。おそらく公道向けポルシェのキャビンとしては、918スパイダー以来もっとも印象的だ。

回転計は燐のような緑の光を放ち、初代911を想起させるロマンティックさがある。ドアオープナーにはレザーのループを用いる。

キャビンは2シーター。黒とブラウンで構成される内装は、クラシックな911を思わせる。
キャビンは2シーター。黒とブラウンで構成される内装は、クラシックな911を思わせる。    MAX EDLESTON

ただし、新しいアイテムはとくにない。標準装備のカーボンバケットシートも見慣れたもので、肋の脇がすっぽり収まって身体がガッチリとサポートされる。もっと日常使いに向いたシートも無償オプションで用意されるが、GT3RSと同じ3707ポンド(約76万円)のカーボン仕上げのロールケージを選択した場合はバケットとの同時装着となる。

われわれとしては、このロールケージは装備したくないところだ。そうすれば、後席がなくなったスペースを荷物置き場として使いやすくなる。深さのあるフロントトランクと合わせれば、フェラーリローマのようなGTカーに遜色ない積載性を発揮してくれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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