ポルシェ911 詳細データテスト MT+NAの快感 公道志向の足回り 遮音性はやや改善の余地あり

公開 : 2024.07.13 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

乗り心地は快適でしなやかだが、遮音性は不十分だ。走行中はGT3やGT3RSと同じくらいうるさい。巨大な後輪は反響音を生み、サスペンションのロッドエンドベアリングや、遮音に効くはずの後席の不在は、相乗効果でマイナスにはたらく。今回走らせた限りでは大きな問題とは思えなかったが、長く付き合うなら、フェラーリ812スーパーファストや911GTSのほうが快適な長距離ドライブの相棒になってくれるだろう。

とはいえ、必要になりそうな装備は軒並みついていて、ミドエンジンのスーパーカーに比べれば視認性は高い。また、特別な一台でありながら、クルマに詳しくなければ普通の911に見える控えめなところも、目立ちたくないユーザーにはもってこいだ。

乗り心地は悪くないが、ノイズはかなり大きく、サーキット志向のGT3系と大差ないのが、日常使いのネックになりそうだ。
乗り心地は悪くないが、ノイズはかなり大きく、サーキット志向のGT3系と大差ないのが、日常使いのネックになりそうだ。    MAX EDLESTON

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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