新世代のベストは「E」! ミニ・クーパーへ試乗 走りの特徴はエンジン版に酷似 航続距離は充分アリ

公開 : 2024.07.29 19:05

航続距離は充分 新世代のベストはE

回生ブレーキの強さは、タッチモニターを介して調整できる。交通状況などに応じて変化するアダプティブ・モードの他、弱、中、強という3段階。セレクターをBにすれば、ワンペダルドライブにも対応する。

バッテリーEVなら、タコメーターが不要になる。ダッシュボード中央の、大きなタッチモニターが担う情報は1つ減る。グラフィックは美しいが、メニュー構造は褒めにくいから、ナビ画面のままにしていた方がストレスは小さいだろう。

ミニ・クーパー E クラシック(英国仕様)
ミニ・クーパー E クラシック(英国仕様)

今回は少し長めに試乗でき、平均的な電費も確かめられた。適度に温かい初夏の条件なら、高速道路を走らせても、郊外の道を飛ばし気味に流しても、6.4km/kWh以上は得られる様子だ。

この電費から換算すると、現実的な航続距離はEで250km、SEでは330km程度。普段使いが中心のコンパクト・ハッチバックとして、不足ない数字といえる。先代のミニ・エレクトリックより、遥かに遠くを目指せる。

長距離移動の頻度が少ないなら、乗り心地や軽快感ではEの方がベター。英国価格も、SEよりお手頃だ。内燃エンジン版のクーパー Cなら、充電を気にせず運転できるが、完成度の高さでいえば、新世代のベストは電気モーター版のEといえそうだ。

走行中の環境負荷を最小限に抑えつつ、運転を気軽に楽しめるミニ・クーパー。AUTOCARでは、アバルト500eとの比較試乗を予定しており、面白い内容になると期待している。アルピーヌA290との三つ巴も興味深いが。

◯:余裕の生まれた航続距離 広くなった車内空間 好印象なインテリア しっかり運転が楽しい 
△:重さを感じさせる駆動用バッテリー スタイリングとインフォテインメント・システムの印象は意見が分かれそう

ミニ・クーパー E クラシック(英国仕様)のスペック

英国価格:3万ポンド(約612万円)
全長:3876mm
全幅:1744mm
全高:1432mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.3秒
航続距離:302km
電費:7.2km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1540kg
パワートレイン:同期他励電気モーター
駆動用バッテリー:36.6kWh(実容量)
急速充電能力:95kW
最高出力:183ps
最大トルク:29.5kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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